第十七部 第八章 轟天
「おい、お前の相手は俺だ! 」
ウィリアム少佐が叫ぶ。
だが、気にせずホアンに対して攻撃を続ける。
「なるほど、ウィリアム少佐と一騎打ちしてる間に俺の性格なら攻撃してくると思ったわけだな。だから、俺を相手に選んだわけだ」
ホアンが面白そうだ。
「何? ふざけるな! 」
ウィリアム少佐が叫んだ。
「まあ、待て、御指名だから仕方なかろう」
ホアンが笑った。
俺が気にせず、拳と蹴りでホアン攻撃し続ける。
「ち、ちょっと待て。お前、思ってる攻撃とやってる攻撃が全然違うぞ。何てデタラメな奴だ」
適当に何も考えずに手や足が出てるんでホアンが俺の攻撃を受けまくる。
ホアンが鉤爪を付けたまま避けるので、それで俺の腕や足が斬れて俺の血がたまに飛び散るが気にしない。
飛び散る血に、深雪とさくらの悲鳴がたびだび上がるが気にしない。
ただ、ひたすら無心にホアンに打撃を加えていく。
昔、自分の身体に刷り込んだ格闘技の技を体が覚えてて無意識に技が出るままに動いてる。
蹴りがホアンの顎にかするように当たり、ホアンがぐらっとする。
瞬時に背中の竿袋から轟天を竿袋ごと構えると相手を竿袋のまま叩く。
ホアンも強者であるので、ぐらっとしても竿袋のままの轟天を鉤爪で受け止めた。
結果として竿袋が裂けて轟天の鞘が割れて刀身が出る。
刀身が出たままの轟天で相手の鉤爪とつばぜり合いをする形になったまま、刀と身体で押すようにしてホアンを突き飛ばした。
本来のホアンならこの程度くらっても平気だろうが、軽い脳震盪を起こしてる今は違う。
ホアンが数歩後ろによろよろと押しやられた状態で轟天を構えと叫んで撃ち込んだ。
まあ、ホアンが何が起こるか気が付いてても避けれないよなと思いつつ。
轟音とともにホアンの姿が消し飛びホアンの背後の山が超小型の核攻撃を受けたようにキノコ状の爆炎が上がる。
「「「「えええええええ」」」」
深雪とさくらとシャーロットとケネスが一斉に唖然として叫んだ。
山が激しく燃える中、俺が今度はウィリアム少佐に向かって轟天を構えて振り返った。
「次はあんただよね」
俺が刀を構えたままウィリアム少佐を睨む。
「き、貴様」
ウィリアム少佐が物凄い顔をした。
ウィリアム少佐が腰のホルスターからカスタムガバメントを抜いて俺を撃ってきた。
「飛び道具とは、汚い」
俺が言いながら飛び跳ねたり伏せたりして弾が当たらないように動き回る。
「お前が言うか! ホアンをよくも! 」
ウィリアム少佐が激怒してる。
「やめなさい。これ以上騒ぎを大きくしてどうするのですか! 」
シャーロットが叫んだ。
「とりあえず、ここは一旦引くべきだ。これ以上騒ぎが大きくなるとコントロールができなくなる」
ケネスもウィリアム少佐を止めた。
「断る! 」
ウィリアム少佐が叫んだ。
それと同時にウィリアム少佐が聖樹装兵を着装した。
俺もウィリアム少佐と同時に聖樹装兵を着装した。
相手と同時着装なら攻撃されないからだ。
「「な、何これ? 」」
深雪とさくらが俺の聖樹装兵の姿を見て絶句した。
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