表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
191/2595

第十七部 第四章 神社

 俺がお金を隠したのは幼馴染の深雪の親が神主をしてる小山の上の神社の中だった。


 いちおう、社格としては郷社になるのだが、住んでた街の氏神だった。


 その神社の境内へと上がる階段を俺が一人で上がっていく。


 すでに薄暗く、普段から神主が常駐の神社で無いので神主さんもいないし、参拝者もいなかった。


 その並ぶ石灯籠の一つで俺が立ち止まった。


 石灯籠には奉納した人の名前が彫られており、俺の名前の御堂祐樹になっている。


 その石灯籠の真ん中のあたりを渾身の力で押すと真ん中の石が丸く抜けて空洞が現われる。


 そこに俺が手を突っ込んでビニールで巻かれた百万円の札束をいくつも出した。


「こういうとこに隠しとくとは思うまい」


 思わず笑みがこぼれる。


「そこにいるのは誰? 」


 いきなり背後から声を掛けられた。


 すると、その人の飼い犬らしい犬が喜んで俺に飛びかかかって来た。


「ち、チコ! ちょっと! 」


 言いながら動揺している声に覚えがあった。


「え? 深雪? 」


 思わず振り返ると深雪だけでなく、高校の時の生徒会長だったさくらもいた。


 深雪はボーイッシュでショートカットの似合う美人だったし、さくらは髪の長い純日本風の美人と言う感じだ。


「「祐樹君? 」」


 二人に同時に言われてびくりとする。


「な、何やってんの? 」


 深雪が石灯籠の中から、札束の袋を出してる祐樹を見て驚いたように聞いた。


 やばい、無茶苦茶怪しい事やってる。


「えーと、お金の集金に……」


 俺が焦って答えた。


 むう、誤魔化せるわけないか。


「はぁああああ? 」  


 深雪が呆れ果てたような顔をした。


「それよりも、あのネットで話題の話なんだけど」


 さくらがじっと俺を見た。


「え? 何かあったの? 」


 俺が平然と装って聞いた。


「ああ、あのミドウユウキって、やっぱり祐樹君の事なんだ」


 深雪が断言した。


 やばいな。


 幼馴染だけあって、誤魔化しが効かない。


 俺が誤魔化す時の癖でも知ってるんだろうか?


「何があったの? 突然、いなくなるし」


 突然、さくらが涙声になる。


 ええ?


 泣くような事なの?


「いや、別に……」


 俺が言いながら目が泳ぐ。


 この二人は苦手だ。


「別にじゃないでしょ」


 深雪が少し怒った。


「君達を巻き込みたくないんだ」


 などと言ってみた。


 とりあえず、説明できる話じゃないし。


 正直、面倒くさい。


「女性を泣かすもんじゃないと思うよ」


 いきなり、さらに背後から言われた。


 誰かと思ったら、神木の前に男がいる。


 赤毛で身長は俺と同じくらいか?


 これまた美男子で翡翠のような目をしてる白人さんだ。


 何でしょう。


 格好つけて足組んで、神木の一つに寄りかかってる。


 あまり、俺とは気が合いそうに無いタイプだな。


「とりあえず、ぱーっと飲みに行って話し合うか」


 俺が深雪とさくらの肩に手を回して、神社の境内を階段まで歩いていく。


「おいおい、無視とは酷いな」


 後ろから声がかかるが気にせず、気が付かない振りをして階段を降りて行く。


「……いいの? 」


 さくらが小声で聞いてきた。


「うん。多分、危ない人だ」


 俺が笑顔で答えた。


 君子危うきに近寄らず。


 だって、にんげんだもの


 みつを




   

 結局、二話ずつ投稿してます。

 

 何やってんだか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ