第十七部 第二章 帰国
極秘に隠してた一万円札を使って、電車に乗っている。
とりあえず、山の中で場所を考えて着装といて、山を降りて電車に乗ってる。
聖樹装兵のままだと、相手のレーダーサイトに表示されてしまうし、少しでも着装といた場所から離れないといけない。
金が無いので電車しか無かった。
轟天はとりあえず隠して、釣竿ケースを買ってきて入れた。
とりあえず、ルアー釣りで使うフィッシングベストみたいなのも着てる。
右手の紋章はフィッシング用のグローブで隠した。
ぱっと見た目はブラックバスかシーバスを釣りに行って帰ってきた感じにした。
普通は車で行くのだろうが、昔の地元はそこそこ田舎なんで、まれに釣りに電車で行く奴がいる。
まあ、滅多にいないけど。
とりあえず、釣竿ケースは怪しまれないだろうと勝手に思い込む。
さて、日本に帰ってきたわけだが、これからどうするかな。
俺の名前も皆の前で叫ばれたし、どうせ手も回るだろうし、いろいろと急がないと。
釣竿ケースとフィッシングベストとか運賃で本当に結構お金を使ってしまった。
お金の方は、手が回らんうちに、手持ちの向こうの金貨を換金するとしょう。
家のアパートの方は手が回ってるかもしんないし、流石にそれはまずい。
結局、自分のアパートには帰れない。
ところで、思ったより豆柴モドキの件は騒いでないなと思ったら、さっき、豆柴モドキを守れって看板持って騒いでる人がいた。
話を聞くと、アメリカとかロシアとか一部の国は結構、いろいろとヤバイらしい。
危険性が分かり、隔離される方向らしいのだが、島国の日本みたいにそれが簡単だった国もあれば、そうでない国は隔離反対派とイタチごっこでやばいみたい。
とりあえず、豆柴モドキのせいで食糧全般が値上がりしてて、結構、一般の人の目は冷たいようだ。
「だれ? ミドウユウキって? 」
横にいた女子高生たちがスマホ見て騒いでる。
自分の名前を聞いて流石に冷や汗が出る。
幸い、写真が出まわってなくて良かった。
ちらりと見たら、ユーチューブでウィリアム少佐のおっさんが俺に一騎打ちを申し込んでるらしい。
ユーチューバーかよ。
既存の放送じゃ圧力が入るんでやってるんだろうが、正気か?
客船のハイジャックとやりあった聖樹装兵のニュースは一度流れたものの、すぐに圧力で別の話にされたせいで、逆に隠すと拡散するネットでは話題のようだ。
ウィリアム少佐はネットで場所を指定するから来るように騒いでいるようだが、俺が行くわけない。
だって、にんげんだもの。
みつを
その後、女子高生とかが騒ぐにはウィリアム少佐が一騎打ちを申し込んでる映像がすぐに削除されたらしい。
これまた、結局拡散されるだろうに訳が分からんな。
とりあえず、電車に乗って、昔の家があった方へ向かってる。
実は、あるところにお金隠してんだよね。
とりあえず、それを手に入れて、手持ちの向こうの世界の金貨も換金すれば、相当な金になる。
そしたら、食糧買いこんで、山で数か月ほど隠遁しようか。
ネット経由で俺の写真でも流れたら、しばらく隠れとかないとやばい。
髪が伸びだら、ボサボサの長髪の別人になろう。
そう決めた。