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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第十五部 第九章 和真と恋(れん)と紅葉(もみじ)

「いや、モニターで見てたけど、何があったの? 」


 潜水艦の中で和真にシュウジが聞いた。


「いや、その」


 和真が言いよどむ。


「いや、ミツキとか言う女が! ミツキとか言う女が! 私の事をデートだけの遊びの女だって! 」


 横で(れん)がポロポロ泣いて答えた。 


「……いや、そのすまん」


「シュウジ様が謝ること無いんです。あのミツキとか言う女が! あの女狐が! 」 


「いや、そのミツキって、俺の娘なんだ」


 シュウジが困った顔をした。


女媧(じょか)様の娘だよ」


 ルイス中尉も答えた。


「はぁぁぁああああああぁぁぁぁぁ? だってやりまくってるって! 」


 (れん)が驚いて叫んだ。


「ああ、こっちは兄妹で結婚できるんだ」


「はぁあああぁぁぁぁぁぁぁ? あいつ、そんな変態行為を! 」


 今度は和真がキレた。


「いや、圧倒的に女性の方が多いんだよ。聖樹装兵(せいじゅそうへい)を着装できるのが、こちら側は女性が多いだろ? 」


 シュウジがとりあえず説明した。


「いや、女媧(じょか)様はどう言ってるんですか? ああいう文化はお嫌いのはずでは」


 和真が問いただすように聞く。


「いや、それが、孫が生まれるとか聞いたら怒ってたけど、何か産着を手縫いしてた」


「え? 女媧(じょか)様が手縫い? 」


「ああ、手縫い」


「何か似合いませんね。世界の支配者にして創造神が手縫い」


「しょうがないだろ。意外と家庭的なんだよ」


「家庭的って……」


 和真が微妙な顔をした。


「しかし、変ですね。子供がお腹にいるなら、聖樹装兵(せいじゅそうへい)になんか乗りますか? 」


 ルイス中尉が聞いた。


「確かにな」


「でも、もうすぐ赤ちゃんが出来るんだからって言ってましたよ」


 (れん)が言いつけるように言った。


「出来るんだからって言った? あれ? まだ出来てないのか? 」


 シュウジが動揺してる。


「そりゃ、普通に赤ちゃんが出来てたら、聖樹装兵(せいじゅそうへい)なんかに乗りませんよね」


 ルイス中尉が納得したような顔をした。


「あちゃー」


 シュウジが苦い顔をした。


「それならば、私がユウキ君を本来の道に戻してみせます」


 きっぱりと(れん)が急に決意表明の様に言った。


「「「お、おぅ」」」


 シュウジと和真とルイス中尉が(れん)の気迫に押されて思わず答えた。


「オバサンには無理なんじゃないかなぁ」


 (れん)の後ろから声がかかる。


 振り返ると、ポニーテールをした可愛い十六歳くらいの女の子が立ってる。


 如月紅葉(きさらぎもみじ)だ。


 如月恋(きさらぎれん)の妹である。


「何よ! 」


「私も聖樹装兵(せいじゅそうへい)のモニターで見ちゃった。ミツキさんにババアって言われてたよね」


「はぁぁぁあああ? 」


 (れん)紅葉(もみじ)が睨み合う。


「あの、男性の聖樹装兵(せいじゅそうへい)の人は居ないんですかね」


 小声で相談するように和真が囁いた。


「今、こっちに来てないからな」


 シュウジが渋い顔で答えた。


「それにしても、あいつ、何であんなにモテるんですかね? 」


「おかしいよな。モテてた話は聞いてないんだけど」


「「とにかく祐樹君は私が貰います」」


 (れん)紅葉(もみじ)が同時に叫んだ。


「女難の相ですかね」


 ルイス中尉が難しい顔してる。


 女難の相とかルイス中尉はアニオタなんで、それで変な言葉を知ったようだ。


「それよりも、赤ちゃんいないなら、嫁にどう言おう」


 シュウジが深いため息をついた。


「おい、厄介な事になった」


 艦長であるスコット中佐がシュウジに言ってきた。


「へ? どうしました? 」


「ウィリアム=マーシャル。あのスカーフェイスがこっちに来たようだ」


 スコット中佐が渋い顔をしている。


「え? なんで? 」


「分からん。豆柴モドキの件でキレてる連中も多いからな。我々はどちらかと言うと穏健派だし」


「厄介な事になりましたね」


 ルイス中尉が困ったような顔をした。


「とりあえず、向こうと連絡は取れますか? 」


 シュウジが聞いた。


「スカーフェイスが応じるかどうかは分からないがやってみよう」


 スコット中佐がため息をついた。


 





 徹夜明けで、何が何だかわかりません。


 頭がくるくるします。


 

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