第十五部 第八章 ビボラ灰燼
結局、その後、船に戻って、ずっと正座&お説教タイムだった。
ビボラをそのままにしておけないとの事で、ココドウリロとコンチュエの第一艦隊がビボラの王都に入り、鎮火作業と救助を行った。
聖樹を守る目的で、暫定的に兄弟国と言う事でカルロス一世がこの国の統治を一時的にする事になった。
カルロス一世的にはあまりうれしくないようだが、王位争いに嫌気がさしてるビボラの国民から迎えられた事で、結局は暫定から永続になりそうな雰囲気だ。
内乱に慣れてる民だけあって、死者などは想定より遥かに低かった。
大半の国民はすでに山の奥に隠れてたらしい。
カルロス一世は今回の戦争の責任を取らせる形で、国王や叔父の公爵の貯め込んだお金を全部救済で吐き出させるつもりだそうだ。
まあ、徹底的に破壊したのはこっちだけど……。
とりあえず、これで再建もぐっと早くなるだろう。
そういう訳で、まあ、いい話では無いが、これでビボラも安定するだろう。
それで、俺はと言うと、すでに八時間近く正座している。
「デート」
龍女さんが無表情だ。
声が重い。
「はい、誠心誠意を持って、デートさせていただきます」
土下座して頭を下げた。
良く考えたら、俺達はデートよりエッチが先だと言う。
何と言う、腐れた関係。
「私にもお願いします」
アオイも無表情だ。
怒ってるのだろうか、怖くて確認できません。
「はい、誠心誠意を持って、デートさせていただきます」
さらに土下座で頭を下げた。
「私には何か一緒に劇でも見に行く」
ミツキも無表情だ。
こえええ。
「はい、勿論、誠心誠意させていただきます」
さらに土下座で頭を下げた。
「ほー、いい対応だな。俺も真似しょう」
カルロス一世が感心してる。
「ビボラの立て直しはどうしたんですか」
俺がカルロス一世に聞いた。
「いや、そんなのは大筋決めたら部下にやらすよ」
笑いながらカルロス一世が答えた。
「いやいや、トップが居なきゃ駄目でしょ」
俺が言い返した。
「いや、だって勉強になるし」
カルロス一世が笑った。
何の勉強ですか?
その後もキョウカさんやミヤビ王女やムラサキやユイナやミオにまでデートの約束させられた。
「じゃあ、私もご褒美を」
燐女さんだけ笑顔だ。
「いや、燐女さんは無茶苦茶にしただけじゃん」
俺が言い返した。
「いや、助けに行ったのだぞ」
「全部破壊しただけだけど」
俺が呆れて答えた。
「お前はすぐに何でも全部破壊するから、皆に追い出されたんじゃないのか? 」
龍女さんが冷やかに突っ込む。
「いや、別に破壊する気は無いんだけど、壊れちゃうんだもの」
燐女さんがもじもじしてる。
「いつもの事なんですか? 」
俺が顔をひきつらせながら、龍女さんに聞いた。
「いつもの事じゃ」
龍女さんが答えた。
やべー、デストロイヤーかよ。
えらいのが来た。
本当に頭が痛い。
「それと、このさい、旦那様に、それ以外に女性関係があるならじっくりと聞きましょうか」
アオイがひやりとした声で言った。
あぅぅぅぅ。
正座地獄が終わらない。
ブックマークをありがとうございます。
これから、仕事です。
しょぼ〜ん。