第十五部 第五章 恋(れん)
ミツキと恋の聖樹装兵が空中で激しくぶつかり合った。
「悪い虫は掃除させていただきます」
アオイが言うと、ぶつかり合ってるミツキと恋の聖樹装兵に構わずライフルを乱射した。
「待て待て」
慌てて、愛染明王型の聖樹装兵が間に入り盾でビームを防ぐ。
「仲間ごと殺す気か? 」
和真が驚いて叫んだ。
が、聞いてない。
「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス……」
アオイが抑揚の無いように言いながら、盾でビームがはじかれてるのに乱射を続ける。
「ちょ、ちょ、何、この子! 」
和真が無茶苦茶動揺してる。
ミツキと恋の方も酷い、ライフルとか剣とかで無くて、聖樹装兵の顔を掴んだり、殴ったり、本当に泥仕合になってる。
「このガキ! 殺す! 」
恋が叫ぶ。
「黙れ! ババァ! 」
ミツキが言い返す。
聖樹装兵の戦いと言うより、女同士の取っ組み合いみたいになってる。
やばい。
怖くて関われない。
「何、これ? 」
ダグダ師匠が困惑してる。
カルロス一世はまた無言で聖樹装兵で俺に敬礼した。
それを止めてと言うのに。
「どれ、われも参戦するかの」
龍女さんが静かに言うと、ライフルが数倍に大きくなった。
まるで、対戦車ライフルのような感じだ。
何、これ?
「ち、ちょっと、龍女さん。そ、それ、対地対艦ライフルじゃないですか。こんな状況で使うようなものじゃ無いですよ。何してます? 」
ダグダ師匠が驚いて聞いた。
「悪い虫は元から絶たねばの」
龍女さんが抑揚なく答えた。
龍女さんの巨大な対地対艦用ライフルに次々とエネルギーが充填されていく。
これ、やばいんじゃないの?
「ちょっと、下の都市ごと吹っ飛びますよ? 」
ダグダ師匠がおろおろしてる。
狙ってるのは和真かと思えば恋の聖樹装兵を狙ってる。
「ミツキ! そいつを蹴飛ばせ! 」
ミツキが蹴りあげて、恋の聖樹装兵が跳ねとばされた時を狙って龍女さんが対地対艦用ライフルを発射した。
慌てて、和真が左手の盾をのばして恋の聖樹装兵、対地対艦の強力なライフルビームを返そうとするが、盾ごと左手が三つ消滅した。
が、そのおかげで、場所がずれて、ビボラの市街地の外れに当たる。
と同時に巨大な光球が出来て、直径一キロメートルにわたり消滅した。
「ええええええええええ? 」
完全に龍女さんまでぶっ飛んでる。
どうしょう。
猛烈に逃げたい。