第十四章 第十章 遺跡
しばらくサラマンダーのトカゲ型自走式の聖樹装兵を見て、ある事に気が付く。
「あれ? こっちに攻撃してきませんね」
俺がダグダ師匠に聞いた。
「ああ、聖樹装兵には攻撃してこないよ。味方扱いみたいだ」
ダグダ師匠が答えた。
「え? そうなんですか? 」
カルロス一世が聞き返した。
「他の武装してる奴は片っ端から、ある程度の距離に入ると攻撃するようなんだ」
ダグダ師匠が説明した。
「え? じゃあ、このままでいいんじゃないですか? 」
俺が笑った。
「「え? 」」
ダグダ師匠とカルロス一世が唖然としてる。
「だって、ここにいれば猛禽に襲われること無いし」
俺が理由を説明した。
「じ、自由すぎるだろ」
カルロス一世が呆れたように答えた。
「何か、<終末の子>に抱いてたイメージと違う」
ダグダ師匠が唸った。
「いや、だって、猛禽のバトルロイヤルなんて冗談じゃないですよ」
俺が慌てて答えた。
「たしかにな」
カルロス一世も頷いた。
「たしかになって……性格変わって無い? 」
ダグダ師匠がカルロス一世を見て驚いた。
「「しかたないですよ」」
俺とカルロス一世が同時に溜息とともに答えた。
せつない。
「やれやれ、我が夫といい、困ったもんだが。それにしても、あのサラマンダーのトカゲ型自走式の聖樹装兵は何か守ってないか? 」
龍女さんがサラマンダーのトカゲ型自走式の聖樹装兵を見ながら言った。
「確かに、何らかの遺跡の後があるんだよね」
ダグダ師匠が答えた。
「入らなかったんですか? 」
俺が聞いた。
「うん。とりあえず、あまり変な事に関わると碌な事無いし」
ダグダ師匠が笑った。
真理だ。
出来たら関わらない方が良いんだが、龍女さんが行く気満々のようだ。
「とりあえず、行ってみようではないか」
龍女さんが笑った。
結構、楽しそうだ。
困っちゃったな。
「最近、お前関連でこのパターンは嫌な系統が多いのが分かって悩むんだが」
カルロス一世が俺を見て呟いた。
「いや、俺も巻き込まれてるだけだし」
俺も愚痴っぽく答えた。
とりあえず、落ちたワイバーンの貴族の子女さんは別のワイバーンが拾いあげて撤退した様だ。
サラマンダーのトカゲ型自走式の聖樹装兵も動きが止まった。
それを見て、聖樹装兵のままドンドン龍女さんが山を登って行く。
一部の山火事は気にもしてないみたいだ。
「やれやれ、しょうがないな」
俺が仕方なしで、聖樹装兵のまま山を登って行った。
ダグダ師匠もついて来てくれた。
カルロス一世も溜息をつくとついて来た。
まあ、あまり良い予感はしないのだけど。
 
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