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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第十四部 第八章 バトルロイヤル

「ところで、向うの方はどうなんでしょうか」


 俺が龍女(りゅうじょ)さんに聞いた。


 怖いけど聞かないとしょうがない。


「バトルロイヤルとか言うやつかの」


 龍女(りゅうじょ)さんが困ったように答えた。


 バトルロイヤル?


 何でしょう、その物騒なのは……。


「猛禽の連中が我が夫を探すために、軍を動員しようとして、国王と宰相の反対でぐちゃぐちゃ揉めておる。公爵達は、我が夫と結ばれて欲しいのか猛禽どもに逆らえんのか、いろいろ小細工しておっての」


 龍女(りゅうじょ)さんの説明が続く。


 こわっ。


 何それ、こわっ。


「ミツキも慌てずとも、いずれ子宝なぞ恵まれるじゃろうに、えらい焦ってるからな。わしも止めたんじゃが、会議室にも入ると言ってきかんし。わしも身内じゃから仕方あるまい」


 何だ、意外と龍女(りゅうじょ)さんは冷静なんだ。


「何だ、龍女(りゅうじょ)さんはそれほどで無いんですね」


「いや、そんな事は無いぞ、ちゃんと嫉妬もするし。だがな、そもそも実はお主が望まないと多分、子供が出来ないじゃろうしな」


 龍女(りゅうじょ)さんが困ったように答えた。


「は? 」


 思わず、変な声が出た。


「いや、だから、そもそもお主が願わんと無理じゃぞ」


「へ? 」


「ああ、確かにそうなるでしょうね。<終末(おわり)の子>ってのはそう言う存在ですし」


 ダグダ師匠が笑った。


「ええ、そうなの? 」


 俺が答えた。


 知らんかった。


「まあ、それを皆に言っても、止まりそうにない雰囲気だから、黙ってたんじゃが。まあ、ダグダ殿に鍛えられているなら、ちょうど良いわ。こないだの愛染明王型の聖樹装兵(せいじゅそうへい)にやられっぱなしだったわけだし、良く教えてもらうといい。何千年も待って未亡人など困るからの」


 龍女(りゅうじょ)さんが柔らかく笑った。


 この人のたまに見せる柔らかい感じは良いよな。


「やれやれ、こんなとこにいたのか」


 今度は目の前に聖樹装兵(せいじゅそうへい)が飛んでいる。


 ワニ型だからカルロス一世か?


「あ、あれ? 師匠じゃないですか」


 カルロス一世が降りてきて着装をといた。


「なんだ、お前も来たのか」


 ダグダ師匠が笑った。


「いや、聖樹装兵(せいじゅそうへい)で甥が逃げたから、まあ、聖樹装兵(せいじゅそうへい)で探索すればつながってるからすぐに分かると思ってたんですけど、可哀想だから黙ってたんですが……」


 カルロス一世が言っ。


「え? どうしたんですか? 」


 俺が驚いて聞いた。


 この人が俺を可哀想……。


 何か悪いものでも食べたのだろうか。


「おいおい、お互い立場は一緒だろうし、猛禽があんなにいたら流石にもたんだろう。死んでしまうぞ」


 カルロス一世が呆れた顔をした。


 死んでしまうぞの言葉が重い。


「死んでしまうと、同じ立場の仲間が減るからな」


 カルロス一世がふっと笑った。


 それが本音か。


 まあ、でもいいか。


「でだ。せっかく、師匠から教えて貰ってるんだろうが、逃げた方が良いぞ」


 マジな顔でカルロス一世が言った。


「は? 」


 どゆこと?


「お前の義兄弟が猛禽に脅されて、スキル探索でお前の居場所を探りまくってる」


 カルロス一世が困った顔をした。


 ほげぇぇぇぇぇぇぇぇ。


「え? 襲うのは厳禁と言ってたのでは? 」


 俺が慌てて聞いた。


「それが、脅すのはオッケーなんだそうな」


「なんじゃ、それ」


「島の探索はじめてたから、時間の問題だ」


 ぐはっ。


 血の涙が出そう。


「どどどど、どうすれば」


「とりあえず、逃げよう。俺も何か言われそうで逃げて来た」


 カルロス一世が真剣な顔をした。


 逃げて来たんかい。


 本当にやば過ぎだろ。








 


 

   

ブックマークありがとうございます。


励みになります。


今から仕事行ってきます。


しょぼ〜ん。

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