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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第十四部 第五章 脱出

 睨み合う、アオイと猛禽達の間を視線を妨げないように、そろそろと窓側へ後ずさる。


 これは、もう駄目だな。


 ふぅとため息ついて思った。


「着装」


 言うと同時にその場で聖樹装兵(せいじゅそうへい)を着装すると、窓をぶち破って、その場から脱出する。


「ああああ、お兄ちゃんが逃げたー! 」


 ミツキの絶叫が背後から聞こえる。


 さあ、これから大変だ。


 龍女(りゆうじょ)さんが追って来たら逃げ切れない。


 だが、俺にはこれがある。


「スキル高速逃亡」


 これで全力で飛んで逃げてみせる。


 アオイ達は好きだけど、まだパパは早い。


 逃げ切って見せる。


 とにかく全力で飛ぶ。

 

 なるほど、スキルのせいもあるのか凄いスピードだ。


 と言うか、逃げたいと言う心がすべてを増幅させているのか。


 凄まじいスビードだ。


 凄まじすぎてコントロール出来ない。


 あれ?


 これ、やっちゃった?


 ヤマトから一気に海に出て、全くスビードが落ちない。


 むう、どうしょう。


 加速がハンパねぇ。


 とりあえず、島がいくつも見えるんで、木にぶつかるようにして減速するか。


 やっちまったなぁ。


 それくらいしか減速の方法を思いつかない。


 スキル解除を何度もするが出来ない。


 それだけ逃げたい気持ちが強かったのか。


 バシバシと木を折りながら減速するつもりが、ダメージが大きい。


 やべぇ、スビードつきすぎて痛みがハンパ無い。


 ほんげぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。


 と言う事で気絶した。




 **********




 パチパチとたき火が爆ぜる音がした。


 薄目を開けるとすでに夜のようだった。


 何か、肉の焼ける匂いがする。


「おっ、起きたか」


 誰かに声を掛けられた。


 頭を振り回しながら、起き上がる。


 どうにか、身体は無事のようだ。


「こ、これは、どうもすいません」


 言いながら、声の方を振り返ると、大きなトカゲ型の人間がいた。


 しかも、ちゃんと服を着て剣とか持って武装している。


 ぇええええええぇぇえええぇぇ?


「おや? 亜龍族は初めてか? 」


 トカゲのおっさんが凄い笑顔だ。


「私の名は、ダグダと呼んでくれ」


 言いながら手を差し出して来たので、おずおずと握手した。


「ほぅ。いろいろと戦闘術は習ってるような手だが、聖樹装兵(せいじゅそうへい)の扱いは今一つのようだな<終末(おわり)の子>よ」


 ダグダがくすりと笑った。


 それが俺にとって、こちらの聖樹装兵(せいじゅそうへい)の剣聖と言われる師匠との出会いだった。



  


 

  

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