第十四部 第四章 女の戦い
で、こうなった……。
国家の最重要時に使用する最高幹部会の会議場で、物凄く豪奢な円形の大きな机に国王と宰相とイジュウイン大公、サイトウ公爵とミヤタ公爵とスギモト公爵とミタライ公爵とフジワラ侯爵とカルロス一世とチアンウェイとリィシン将軍とヂォンフォ将軍とカザンザキスさんとアポリトと樹老人が座っている中で、国王の対面に座らされた。
議題はまさかの子作りである。
なんでやねん。
「いや、何で、俺が子供作るのが、そんな大仰な話になるんですか」
俺が国王に文句を言った。
「いやだからな。お前に孫が出来れば、シュウジとの関係も改善できるんじゃないかと思ってな」
国王がじっと俺を見た。
「うまくすれば、向うの世界との関係も変わるかもしれません。何と言っても女媧殿の子供ですし」
宰相が横で嬉しそうに続けた。
「はああああああ? お前、女媧の子なの? 」
カルロス一世が驚いて聞いてきた。
仕方なく、頷く。
「ええええええ? 確かにお前の親が向こうのトップだとか、あの愛染明王型聖樹装兵に乗ってる奴が言ってたけど……」
カルロス一世がさらに驚いた顔をした。
「いや、俺もこないだ知ったばかりだし」
俺が困って答えた。
「それなのに、こっちで戦ってんだ? 」
カルロス一世が呆れたように聞いた。
「いや、まあ、そうだけど」
「あんな待遇でか? 」
カルロス一世が言うと、さすがに国王と宰相とイジュウイン大公、サイトウ公爵とミヤタ公爵とスギモト公爵とミタライ公爵とフジワラ侯爵が下を俯いた。
「いや、だから、あの後、ヤマトに呼ばれた時に、キレてヤマトと戦争しようとして戦って、ヤマトの和議を受け入れて講和したし」
俺がしどろもどろと説明した。
「え? ヤマトと小競り合いあったのは知ってたけど、ガチ戦争だったの? 自由すぎるだろお前」
カルロス一世がさらに呆れたように答えた。
「だって、しょうがないし。俺だって好きでやってるんじゃないし」
「まあ、それはそうかもしれんが」
カルロス一世もさすがに、その辺は同情してるみたいだ。
「でだ。とりあえず、どうだろうか」
国王が上目使いで俺を見た。
何がどうなんだ。
話の切り替えも強引だろ。
「いやいや、何で俺がそうなるの。大体、そんなの自然に出来るもんでしょ」
俺が断言した。
「わしもそう思うぞ。こんなの強制するもんでは無いだろうに」
樹老人が同意してくれた。
「いやぁ、お前の為に強制にならないように、女性陣は呼ばずに、わざわざお前だけで話してるんだぞ」
国王がじっと俺を見る。
あかん、樹老人の言葉なんか聞いてない。
それでも強制だと思うんだが、相変わらず、ヤマトの考えは理解できない。
しかも、思いっきり恩着せがましくない?
チアンウェイもドン引いてる。
「だから、そういうのはですね……」
と俺が反論しようとしたら、最高会議室のドアが開いた。
そこに、ミツキとアオイと龍女さんからミオまでオールスターで全部いる。
「ほげぇぇぇぇ」
思わず変な声が出る。
「話は聞いたわ」
ミツキが破顔した。
くはっ。
胃が痛い。
「私達が及ばずながら、全力で赤ちゃんを産んでみせます」
アオイがお腹を抑えながら凄い笑顔だ。
皆の目がキラキラしてる。
はわわわわわわ!
そしたら、もう一つの会議室のドアが開いた。
「出来ましたら私達もお国の為に頑張りたいと思います」
そこにイジュウイン大公のアンナを中心に猛禽の公爵家の子女達がいた。
アポリトがすぐに顔を伏せた。
「な、何を言ってるんです! 」
アオイが鬼のような顔をして睨んだ。
「あんた達、襲うのは禁止って聞いてるでしょ! 」
ミツキが怒鳴った。
「ふふふ、襲ってもらうならオッケーのはず、及ばずながら、私達も、<終末の子>の赤ちゃん計画に参加させていただきます」
イジュウイン大公のアンナが代表して言った。
アオイ達と猛禽達の間に凄まじい無言の殺気が飛び交う。
カルロス一世が俺を見て無言で再度敬礼した。
その敬礼はやめろ。
たくさんの人に読んでいただいて本当にありがとうございます。
仕事やってて励みになります。
ブックマークとか本当にありがとうございます。
無茶苦茶うれしいです。