第十四部 第一章 プロローグ
やはりと言えば、やはりなのだがヤマトの方はそれなりの被害が出ていた。
地震であちこちが崩れていて、不幸中の幸いは、死者が居なかった事くらい。
とりあえず、スルトが復活し、それを迎撃した為に起きたと言う事で、俺の評判は非難されることは無かったが、褒められるわけでも無かった。
まあ、前みたいに無視されないみたいだから、マシか。
疲れ切った顔で、自分の迎賓館の宿舎のドアを開けると、大きな動物の木の置物が置いてある。
「なんだ? これ? 」
言った途端にユイナがスキル蜘蛛の糸で動物の置物をぐるぐる巻きにした。
そして、コンコンと置物を叩いた。
「やっぱり、空洞で中に誰か入ってる。やってる最中にどさくさで混ざろうと思っても、そうはいかないわよ」
ユイナが言うと、置物がゆさゆさと揺れた。
は?
トロイの木馬かよ。
大体、やってる最中って、今日は寝るし。
「別の部屋を緊急で取れたわよ」
ミヤビ王女が皆を見た。
「こっちは中は確認済みだから大丈夫よ」
キョウカさんが続けた。
「さあ、ミオが見張ってるうちに早く」
ミヤビ王女が再度せかした。
「いや、もう、俺動けないし」
と俺が言うと、龍女さんが俺をお嬢様だっこした。
こ、これ、反対じゃね?
「ユウキ殿はゆっくり時間まで休んでおるといい」
龍女さんが言いながら、ミヤビ王女の誘導で迎賓館の別の貴賓室部屋に走っていく。
え?
え?
と言っている間に、ミオが待っている部屋に着くと、ベットの上に寝かされた。
ムラサキがるんるん気分で、横にいる。
「いや、今日はさすがに立たないから」
と恥ずかしげも無く、俺が言った。
するとミツキとアオイがテーブルの上の例の新製品とか言う精力剤の瓶の山を指差した。
何本、あるんだ?
「お母さま方に貰って来たんですが、これ一本でも余裕らしいですよ」
アオイが満面の笑顔だ。
笑えません。
「どれ、女性も大丈夫なのだろう? 」
言いながら、龍女さんが精力剤を一本飲んだ。
「おおお、効くのう」
龍女さんが真っ赤になって、目がとろんとしてる。
「一杯あるから、私達も飲んで頑張らないと」
ミツキがガッツポーズで笑った。
マジか。
マジでするのか。
本当に寝れないじゃん。
疲れて動けないのに。
「前回の分のノルマも追加でお願いしますね」
キョウカさんが耳で囁いた。
「マジですか? 」
俺の目が泳ぐ。
皆、ノリノリだ。
本当だ。
とんでもないもん、開発しやがって。
ふざけんな。