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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
1401/2457

ヤマト新女王編 1

 番外編を投稿します。まとめて24日と25日に投稿しようと思ったけど、病気で断念しました。

 許してください。

 毎日一本ずつ投稿します。

 アレクシア再興国で不幸な出来事が起こった為にユウキとカルロス一世は旧エーデルハイトに向かって北上していた。


「いや、まさか、ここまで追っかけて来ると思わなかった」


 ユウキが愚痴る。


「いや、普通に来るに決まってるだろ? 前世のお前の許嫁達だぞ? 」


 カルロス一世が呆れた顔をした。


「皆、趣味が悪すぎだよ。別のにすれば良いのに」


「いや、本人達に言うなよ。火に油を注ぐから」


「俺的には容姿は普通で良いから、優しい子がいないものか? 」


「相手のスペックが見れるようになって調べてみたんだろ」


「売約済みが多くて。俺はNTRとか嫌いだし」


「前世はNTRだらけじゃ無かったか? 」


「そう言うの辞めたくて」


「まともなのは売約済みばかりで、売れ残りは難ありばかりだからなぁ」


 ユウキがため息をついた。


「本気で本人に言うなよ。許嫁達は残ってると思うし」


 カルロス一世が身震いしながら、ユウキに念を押す。


「にしても、あのドローン邪魔だな」


 ユウキが空を見上げてる。


「は? どこに? 見えないぞ? 」


 カルロス一世がユウキが見てる空を見る。


「一キロメートルくらい上空のとこにずっといるよ」


 ユウキがうんざりした顔で答えた。


********************** 


 そこから二十キロ以上離れた海側にヤマトのフリゲート艦が居た。


「気が付かれたか? 」


 その艦橋に中将の階級章をつけた壮年の男が部下達とモニターを見て呟いた。


「え? まさか? 」


 まわりの将校が驚いた顔をした。


「いやいや、普通にあり得るから」


 中将の階級章をつけた男は真顔で答えた。


 彼こそ、ヤマトの特務情報部の指揮官でクニヒト中将であった。


 あちらの世界とこちらの世界は分けられたが、ヤマトは独自に人材と技術を保存していて、未だにあちらのフリゲート艦を使っていた。


「ちょっと、信じられませんね」


「ありえませんよ」


 まわりの将校が信じられないと言う顔をするなか、クニヒト中将は渋い顔をしていた。


「人間じゃ無いからあり得るんだよ」


 うんざりした顔で、艦橋の椅子に座った。


「あーあーあーあーあー本物だ。どうしょうかな。俺は関わりたくないんだけどな」


 延々と椅子に座ったクニヒト中将の口から愚痴が出る。


 事の発端はヤマトの新女王がヤマトと同盟関係にあったアマゾネスの王国をヤマトゆかりの皇太子だったユウキが覚醒して破壊したのを非常に問題視していた。


 ヤマトの恥であると。


 クニヒト中将からすると転生してるんだから関係ないと思うのだが、今のヤマトの女王は融通が利かないらしくて、それが許せないのだそうな。


 世界のやり直しによって、奥の院を支配するツキヨ曾祖母の命令で、新しく女王となった優雅(ゆうが)様は非常にそういう所に厳しい方であった。


 さらに、ミヤビ王女の雅と言う文字が付いている事から、恐らく許嫁の生まれ変わりでミヤビ王女では無いかと言われてるのも気を重くさせていた。


 女王があの許嫁の生まれ変わりでは、間違いなく自分達にも被害が来る。


 それは今のヤマトの首脳にしても頭の痛い話であったのだ。


「中将殿。ヤマトから連絡です」


 横にいる兵士がクニヒト中将に報告する。


「誰? 」


「は、サイトウ大将軍かと」


「はあ、つないで」


 クニヒト中将がため息をついて答える。


 モニターに壮年の男が映る。

 

 かっては一条和真は、今はサイトウ家に婿入りしてヤマトの重鎮になっていた。


 和真がこちらの世界になった時は、何で俺がこっちなのかと随分落ち込んでいたが、今やヤマトを支える男とすら呼ばれていた。


「どうだった」

 

「当たりだよ」


 本来なら二階級違うのだが、元々ヤマトは戦時命令以外はゆるゆるの部分もあって、特に一緒にいろいろとユウキに迷惑がかけられた者同士で仲間のような喋り方になっている。


 ぶっちゃけ、ヤマトの首脳は修羅の奥の院に抑圧されているからかもしれない。


 まるで、城が幕府の嫌がらせで狭すぎて殿様自らが御目見えの本人に話をせざるを得なかった長州藩みたいなものだ。


 他所は間に取り次ぎがいくつも入り、殿様は身分上、直接御目見えの者に話してはいけないのが普通だったのだが。


 逆にそれだから、長州藩は藩主がいろんな武士の話が聞きやすく、下級武士ですらある程度発言する事が出来て維新の原動力になった。


「参ったな」


「どうだろう。女王様は諦めないかね。絶対まずいだろ」


「いや、それどころか親征するって言いだしてんだ」


 サイトウ大将軍が愚痴る。


「マジですか。やっぱり、ミヤビ王女なのかね」


「分からん」


 二人が深刻な顔をして話し合っている。


「絶対に会わせたら駄目でしょ」


 クニヒト中将がはっきりと止めるように即した。


「いや、それが、すでにもうすぐ艦隊を率いて俺と一緒に出るんだわ」


 サイトウ大将軍が困った顔で答えて項垂れた。


「ええ? 」


 関わってはいけない男だと言う事を知っているクニヒト中将と止めれなかったサイトウ大将軍が本当に困った顔でお互いを見合わせた。




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