第十三部 第四章 連合艦隊
結果的に断れず、再度俺達はヤマトに行くことになった。
もしもの時を考えて、何とか粘り切って俺達がパトリダの豪華高速帆船で行く事は出来るようだ。
武装されてないからとかいろいろ言われたが、実は、それなりにある程度の武装はしてるし、だから豪華高速帆船で行くと、それで何とか貫き通した。
ヤマトの手助けで行ったはいいが、帰れなくなったら困るし。
いざ、逃げるにしても、この船の方が逃げやすい。
話が凄く大げさになって、ヤマトの旗艦艦隊だけでなく、コンチュエの第一艦隊も一緒に参加する事になった。
今回の共工の縁から、ヤマトとコンチュエに軍事同盟が結ばれたそうな。
それを対外的にアピールする意味合いもあるのだろう。
なぜかチアンウェイも一緒に来ることになった。
チアンウェイと俺が良い仲だと噂が流れ、余計な誤解を受けたらしく、それならと女帝が気を使ったらしい。
全く、絶対にありえない。
さらに言うと、これ以上怖い人はいりません。
その誤解のせいで、チアンウェイは何故かパトリダの豪華高速帆船に乗っている。
まあ、本人は寝るときはテレポートして第一艦隊に戻るようだ。
本来は海軍で無いのだが、特別にリィシン将軍も部隊をつれて、第一艦隊に乗っている。
本当に大げさだな。
爆龍王ゴウオウが一緒に行くことになったので、とりあえず、船よりはだいぶ早いからミヤビ王女とキョウカさんがヤマトでの説明の為に、ワイバーンに乗っていく事になった。
ミツキも行こうとしたが、あまり向こうで顔を知られてないので、ヤマトの人が分かる人選としてミヤビ王女とキョウカさんが行くことになったのだ。
他の面々といつものように甲板で海を見てる。
いなくても良いのに、国王と宰相は何故か、こちらに乗っていた。
セキュリティがガバガバだな。
「あ、もう少ししたら、エテルノのカルロス一世も合流するから」
国王がさらりと大事な事を言う。
「は? 」
いきなりの話に俺が驚く。
「ココドウリロがですか? 」
横にいたチアンウェイが聞いた。
「ええ」
宰相が頷いた。
「え? 」
ココドウリロも一緒にくるのか、心強いと言うよりは、ちょっと、カルロス一世に会うのしんどいな。
「なんでも、今回の話をルイから聞いて、婚姻して縁故が出来たヤマトの為に、政治的にも海軍で援軍を送りたいそうだ」
国王が俺に説明した。
「なるほどな。海軍で最強の一角を占めるココドウリロが参加するなら、これはインパクトがあるな。ヤマトとコンチュエの連合に参加する政治的な意味も大きい」
横でチアンウェイが感心してる。
「……逃げたな」
俺が呟いた。
「は? 」
チアンウェイが唖然とした。
「お前にもそれが分かるようになるとは、ヤマトの男になったな」
国王がポンポンと俺の肩に手を置いた。
「うむ。やっと名実ともに我らの一族になったわけだ」
宰相が嬉しそうに頷いた。
全然、うれしくないです。
勘弁してください。
「何を言っているのだ? 」
チアンウェイが不思議そうに聞いてきた。
「ふふふふ、ヤマトの通過儀礼を果たしたものだけが、理解できる事ですよ」
国王がふっと言う感じでチアンウェイに語った。
威張る事じゃない。
せつない。
何より、横にいる義兄弟のアポリトの俺に対する哀れなものを見るような目が凄く切ない。
勘弁してください。
また、仕事で投稿時間がバラバラになります。
すいません。
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