幕間 高校時代の夢
「お前、普通の人間じゃ無いよな」
いきなり、高校で同級生が俺に言ってきた。
「は? 」
思わず何かと思って俺が変な声を出した。
「隠すなよ。分かってるんだ」
「へ? 」
これが厨二病と言う奴か。
マジマジとその同級生の顔を見た。
俺より少し高い180センチくらいの身長で、痩せてるように見えて筋肉質だ。
顔も良いし、モテるのに厨二病とは勿体ないな。
「いや、普通の人間だぞ」
俺が真顔で答えた。
すると、そいつはちっと言って舌打ちした。
なんか、こう、パス事故で家族を亡くしてから、碌な奴が話しかけてこない。
めんどくさいもんだ。
「お前だって、こういう事が出来るはずだぞ」
小声でそういうと、左手をすっと右に払った。
ガシャーンと言う音とともに、手で払った側の教室の窓枠が真っ二つに斬れて下に落ちた。
なんじゃ、これ?
「ちょっと、ユウキ君に何してんの! 」
横の深雪という小学校から知ってる綺麗なショートカットの女の子が立ち上がって言った。
何かとこの子は俺の事に気を遣ってくれる。
多分、家族を亡くした俺を同情してるんだろうな。
「いや、いいよ。別に。なんかの手品か? 」
怒ってる深雪を制するように言った。
「手品に見えるのか」
震える様にその同級生の男が答えた。
「本当にそう思ってるのか? 」
再度、念を押すように、その同級生が聞いてきた。
本気で声が震えてる。
なんか、怖い。
「いや、まさか、超能力とか言うの? 」
俺が困って答えた。
「そんなわけないだろう! お前が分からないわけは無いんだ! 」
その同級生は怒ったように叫んだ。
「そう言われても困るし」
俺が困ったように答えた。
「えーと、誰だっけ? 」
「はああああああ? 一年の時から同じクラスだろうが! 」
「すまん。忘れた」
「き、貴様ぁぁああぁぁぁぁぁ! 」
すんごい顔でそいつに胸倉を掴まれて、ゆさゆさされた。
そこで。目が覚めた。
アオイとミツキとミヤビ王女と龍女さんが俺に絡みつくように寝ている。
キョウカもユイナも俺の首に手を絡む様に上側に寝ていた。
これは何かのプロレス技なんだろうか?
苦しかったから、昔の嫌な思い出が思い出されたんだな。
困ったもんだ。
それから、皆の手からするりと離れて、ベットを一人で降りると、目の前の床にベットから落ちて倒れ込んだまま寝ているムラサキがいた。
ベットから落ちたら気が付きそうなのに、そのまま、すやすや寝てる。
仕方ないので俺が毛布をかけてあげた。
一人で椅子に座りながら考える。
「はて、あいつの名前。なんだっけ? 」
思わず、自分の考えてる事が言葉で出た。
本当に誰だっけな?
今回のは幕間です。
次回の話が二十章あるのと、ちょっと向こうでの話も入れたくて入れました。
後、いつも読んでいただいてありがとうございます。
本当にブックマークと評価をありがとうございます。