第十二部 第十三章 エピローグ
特別室のベットに、そのまま倒れ込んで俺は全く動けない。
今日は本当に疲れた。
「ごめんね。お兄ちゃん」
ミツキが笑って謝ってきた。
「あんなとこで、付き合ってるって言わなくても良いのに。せめて、親父が武装してない時にしてくれよ」
俺が枕に顔を埋めながら愚痴った。
「そうかぁ、赤ちゃん出来るには回数が少ないのかな? 」
ミツキが呟いた。
駄目だ。
全く聞いてない。
親父に結婚宣言したんでハイなままだ。
「あっ、それ言えてます」
ユイナもミツキに同調した。
「そうですね。回数を増やすべきですね」
アオイも断言した。
なんで、地雷方向に話が進んでんだか。
「まあ、その辺は男の甲斐性じゃな」
龍女さんが笑った。
「とりあえず、お風呂に行ってきますね。準備に時間がかかりますから」
ルンルン気分でムラサキが用意を始める。
何の準備なんだ?
「私もお風呂に行ってこようかな」
キョウカも照れながら呟いた。
「ま、待って。疲労が限界なんだけど……」
蚊の鳴くような声で俺が言った。
「ご懸念には及びません」
アオイがいつもの精力剤の瓶を出してきた、しかも三本も。
「すいません。もう、それ結構なんですが」
「大丈夫ですよ。これお父様が言うには新型だそうです。すーーーっと疲れがとれてビンビンになるそうです」
アオイがニッコリ笑った。
「お、女の子がビンビンなんて言うんじゃありません」
「分かりました。バッキバッキになるそうです」
「変わんないじゃん」
やばい、抵抗する力もでん。
「たっぷり、可愛がってくださいね」
耳元でミオが囁いた。
「おーい」
今日はお休みする方向にはならないのか。
その時、ノックとともに国王が入ってきた。
皆の目がかなり怖くなったが、初めて国王が助け舟になってくれそうだ。
今なら、パパって言えそう。
「あ、ミヤビにキョウカにユイナ。これ試作品だけど、一番凄く効くそうだから」
言いながら、小瓶をキョウカに渡した。
皆の目がバーッと友好的になり、満面の笑顔だ。
「ええええええっ、助けてくれると思ったのに」
俺が蚊の鳴くような声で抗議した。
すると、国王はにやっと笑って、親指を立てた。
「頑張れ」
ふざけんな。
死にたい。
いつも、読んでいただいてありがとうございます。