第百十四部 第十二章 エピローグ
真っ暗な顔の母さんが開いたフォログラフィには、直径二十キロくらいの巨大なクレーターが出来ていた。
流石の封鎖区域も全部吹き飛んでいた。
恐らく、あのクレーターの深さからするとロックワームも衝撃で全部死んだのでは無いかと思われる。
その時に起きた地震で中国全土が揺れて、たくさんの被害が出たようだ。
このままだと、間違いなく、世界中の神族から俺が叩かれるどころか敵認定される。
そういう絶体絶命の状況下であったが、封鎖区域で無く、アレクシアとかエーデルハイトの一部がこちらと融合を始めた。
俺は知らなかったのだがあちらではゴブリンや例の聖王の狒々等があちこちで巣を作っており、それがこちらの世界に来たために一斉に人を襲い始めたのだ。
それで、それどころでは無くなったのも大きいのだろう。
こうやって、俺達が隠れていられるのも、そのおかげだ。
「隠れているわけだけどな」
カルロス一世の突っ込みが厳しい。
どうやら、また喋っていたようだ。
「その喋るくせ何とかしろよ。母さんが一言一言反応してビクンビクンしてるのを見てると辛いんだが」
親父が俺に囁いてきた。
「一番大事な<結末の時>に逃げ回る<終末の子>ってシュールだよね」
俺が思ってる事を囁いた。
母さんが一瞬固まって、静かにその場に崩れ落ちた。
「やはり、言ってはいけないことだったか」
俺がぽつりとこぼす。
「当たり前だろ」
親父が突っ込んできた。
「いてぇ! いてぇ! いてぇ! 」
母さんの基地の岩盤の中で横たわる爆龍王ゴウオウが五月蝿い。
ミヤビ王女にすんででテレポートして貰ったのだ。
身体がデカ過ぎて回復魔法の効きが悪いのか爆龍王ゴウオウの叫び声が食堂まで響いて困る。
とは言え、あの攻撃で生きてるのが凄い。
「で、結局、どうするんだ? 」
クアムに聞かれた。
「どうしょう? 」
俺が逆に聞いた。
「いや、お前が決める事だろう」
クアムのあきれ果てた顔が悲しい。
「とりあえず、様子を見るしか無かろう」
親父もそう断言した。
「それしか無いよね」
俺も呟いた。
「わしもそう思う」
祝融さんが悲しそうなまなざしで答えた。
「まあ、俺達見てただけだもんな」
親父が呟いた。
「自分の命への渇望が辛い。やはり、あの修羅場では飛び込めないな」
祝融さんが静かに首を振った。
俺も親父も深く頷いた。
それは非常に同意する。
べリウムもあの大混乱でどうなったか分かんないし。
何が何だか。
「良かろう。義父で国王の私から皇太子のお前に言葉を贈ろう」
国王がポンと俺の肩に手を置いた。
「おお、何でしょうか? 」
「なるようになる」
国王がきりりと答えた。
「素晴らしい」
俺が目をウルウルさせた。
「俺も感動したぞ」
親父も感動している。
もはや、それしかあるまい。
なるようになる。




