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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第十ニ部 第十章 真の力

「さて、これで終わりか」

 

 と、俺が窓の外を見ると雨がやまない。


 あれ?


 なんで?


「共工とルグは別口じゃ。このようなネクロマンサーごときに共工が操れるわけ無かろう」


 樹老人(じゅろうじん)が言った。


「え? どうするの? 」


 俺が慌てて樹老人(じゅろうじん)に聞いた。


「共工を再度封印するか、倒すしかない」


「え、嘘」


 封印なんて無理だし。


 どうやって、倒すんだ?


 やばい、逃げ出したい。


樹老人(じゅろうじん)様なら封印できないのですか? 」


 ミヤビ王女が樹老人(じゅろうじん)に聞いた。


「流石に、力の差があり過ぎる。とても無理じゃ」


 樹老人が哀しそうに答えた。


「こうなれば、お前の力を目覚めさせるしかない」


 樹老人(じゅろうじん)が俺を見た。


「ええええええええ」


 やばい、目が泳ぐ。


 なぜにそんな難しい話を。


 いやぁぁぁぁぁぁ!


「良いか。お前は今、何をしたい」


 樹老人(じゅろうじん)が俺の目をじっと見た。


「逃げたいです」


 俺が即答した。


「なんでやねん」


「だって、無理なもんは無理ですよ」


「あのなぁ」


「待て、お前、我らを見捨てる気か」


 チアンウェイが俺を責める様な顔をした。


「いや。君、最初に俺らを襲撃してなかったか? 」


「男が小さなことを気にするな! 」


 チアンウェイが叫んだ。


 おいおいおいおい。


「良し、分かった。もし、お前が絶対に戦ったら負ける状態で、一度撤退して出直す事も出来るのに、戦うのか? 」

 

 俺がチアンウェイに聞いた。


 俺は歴史上の人物で織田信長の最大の失敗は、本能寺から逃げなかったことだと思う。


 昔は、どんな状態でも、驚くほどの見極めですぐに逃げてた。


 実際に状況から、実は逃げれたんじゃないかとも言われてる。


 さらに言うと、息子の教育でも、織田信忠に逃げる事を教えなかったのが、問題だと思う。


 少なくとも織田信忠はかなり優秀で、最後に武田を滅ぼしたのも信忠の決断だし、彼が生きてれば豊臣の世界は無かった。


 逃げる事は間違いでは無い。


 だって、にんげんだもの みつを


「むう。たしかに、私も逃げるかもしれない。だがな、為政者として、民を残していけない」


 おお、凄い正論キター!


 為政者が民を残していけないと言われたら否定できんな。


 でも、俺、商人だしなぁ。


「待って、逃げるのも強く強く願えば奇跡が起こるはず」


 ミツキが俺を見た。


 どういう事かな?


「逃げては意味がないと言っているんだが」


 チアンウェイが答えた。


「逃げてばかりでは、試練に打ち勝てんのだぞ」


 樹老人(じゅろうじん)も厳しい顔をした。


「だから、本気で逃げるのよ」


 ミツキが答えた。


「本気で逃げる? 」


 チアンウェイが怪訝そうな顔で聞いた。


「そう、つまり、この首都ごと逃げるの」


 ミツキが目を輝かせて言った。


「ぶふーーーっ! 」


 思わず、唾を吹いた。


 な、何を言ってるのかな?


 この子は?


「な、何だと、そんな事出来るのか? 」


 チアンウェイが驚いた。


「真の<終末(おわり)の子>の力は全知全能よ」


 ミツキが断言した。


「はぁぁあああぁぁぁあああ? 」


 流石に俺は叫んでしまった。


「お前、何を言ってんの? 」


「むう、なるほどな」


 何故か樹老人(じゅろうじん)が納得してる。


 何故、納得するのか。


「やはり、<終末(おわり)の子>はそこまで凄いのか」


 チアンウェイが物凄く驚いてる。


「いやいやいやいやいやいや」


 俺が顔の前で必死に手を振る。


「いや、本来なら、そのはずなんだ」


 カザンザキスさんが言った。


 うっそ。


 カザンザキスさんまで?


 そんなチートがあるなら、とっくに幸せに暮らしてますよ。


「ユウキ様なら出来ます」


 ムラサキが目を輝かせた。


「信じてます」


 アオイも笑った。


「信じておるぞ」


 龍女(りゅうじょ)さんもほほ笑んだ。


 ええええええええええ、誰も止めないの?


「そ、それは過大評価だと思う」


 俺が必死になって抵抗した。


 どうやってやればいいか訳が分からん。


「それなら、手がある」


 国王が厳かに皆を見た。


 おいおいおいおい。


「手とは? 」


 樹老人(じゅろうじん)が聞いた。


「ユウキを敵の真っただ中に置くのです。しかも、ピンチになりそうな場所へ」


 国王がキリッとして答えた。


 待て待て、何言ってくれてんの?


「はっ、わかりましたよ。火事場のクソ力と言う事ですね」


 宰相が言った。


「「「「キン肉マンかっ! 」」」


 イジュウイン大公、ミヤタ公爵とスギモト公爵とミタライ公爵とフジワラ侯爵が叫んだ。


 結局、アニメかよ!


「いやいやいや、勘弁してくれ」


「大丈夫だ。ユウキ。ピンチになれば潜在能力が発揮されて。すべてが解決する。これは少年ジャンプ以来の大法則なのだ」


 国王が断言した。


「いや、アニメや漫画の法則やんか! そんなもんふざけるな! 」


 俺が叫んだ。


「それしか無いか」


 樹老人(じゅろうじん)が決断した様に俺を見た。


「はあああ? 」


 俺が呆然とした。


「大丈夫、私もついていくから」


 ミツキが凄い笑顔だ。


「私も行きますから」


 アオイも笑顔だ。


「それ、フラグだろ? いいよ、一人で行くから」


 言っちゃった。


 あーあ、言っちゃった。


 やばい、本当に終るかも。





 夜間に投稿したこと無いんで、試しにしてみました。


 どうか、読んでくださいませ。

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