第十二部 第七章 襲撃
王城内から悲鳴が起こる。
「やつらが来たぞ」
いきなり、横にチアンウェイが現われた。
相変わらずのテレポーターだ。
国王達がびっくりしてる。
「なあ、チアンウェイさんさぁ、皆びっくりするからさ。なんか来る前に知らせれないの? 」
「無理だ」
チアンウェイがにべも無く言った。
「あ、やばいわ。王城の近くの墓地からもゾンビが大量に出て来てる」
ミツキが遠くを見ながら言った。
遠隔視と言う奴か?
「なんだと! 」
チアンウェイが叫んだ。
「とりあえず、こっちはヘルファウンドで何とかするわ」
ミツキが答えた。
「ヘルファウンドだと? 」
チアンウェイの顔が少し驚いた顔をする。
やばい。
ばれたかな?
「ええ、私とアオイはモンスター使いなもんで」
ミツキが気にせず、笑顔で答えた。
素で気にしてなさそう。
「それは、助かる。是非、皆を助けてくれ」
チアンウェイが笑って答えた。
良かった、気が付いたわけでは無いのか。
それにしても、国民を気にする為政者としての姿勢は本当に素晴らしいな。
横で、今度はリング〇かけろの話題やってる国王達に爪の垢でも煎じて飲ませたいところだ。
「大変ですぞ。牢につながれてた者どもを地下の死体置き場から動いたゾンビが解放しております! 」
グォクイ将軍が部屋に乗り込んでくるなりに叫んだ。
「え? 死体置き場と牢が近いのですか? 」
俺がグォクイ将軍に聞いた。
「ええ、地下の同じ階です」
グォクイ将軍が答えた。
はぁぁぁぁぁ?
ネクロマンサーだとか言ってて、何で敵を入れてる牢と死体を近くにしておくのよ。
絶対、なんか、ずれてるわ。
しかも、うちの国とは別の方向で。
「衛士達は? 」
「は! 衛士は女帝様の守りに行って貰い、鎮西将軍のリィシン将軍が兵を率いて牢から逃げた敵とゾンビを対応しております! 」
「むう、リィシン将軍であれば、大丈夫だな。それと、王城の近隣の墓地よりゾンビがこちらに向かっているようだ。近衛の兵で叩き潰して王城に寄せるな」
チアンウェイが言った。
「わかりました」
グォクイ将軍が答えた。
それを見た後、俺がすぐさま、窓の方に行って、外の方を見た。
「どうした? 」
チアンウェイが聞いてきた。
「こないだ、共工が出たのは、ちょうど真正面だな? 」
「ああ、そうだ」
チアンウェイが頷いた。
「待ってください。 共工も今夜攻めてくるのですか」
グォクイ将軍が焦って聞いてきた。
「セオリー的には、戦力の集中でしょ。出て当たり前だと思います」
「なんという事だ」
グォクイ将軍が身震いした。
すると、闇夜の中だが、山の方から地響きがした。
「はじまったな」
俺がそれを見ながら呟いた。
本日も二話投稿します。
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なんとか、盆の辛い仕事を乗り切れました。
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