表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
123/2594

第十二部 第三章 またしてもファウロス

 会議も終わり、第二迎賓館も破壊された為に、我々は王城の特別室に移った。


 慌てて、泊まれる部屋を準備したのだろうが、十分に配慮された部屋になっていた。


 まあ、欠点と言えば、部屋の中にトイレが無く、王城のトイレに行かなければならないのと、国王やヤマトの人間はブツブツ言っていたが、風呂が個人用の陶器の小さいものしかない。


 それも、これまた王城の遠くの部屋に入りに行かないとならない。


 ヤマトのように風呂完備なんか無理なんだから、受け入れりゃいいのに、外面(そとずら)はいいから表では言わないが、皆のいる特別室を改造した宿舎では凄く五月蠅い。


 めんどくさいので、アポリトとアオイなんかと王城の中を軽く散策していた。


 すでに、夜ではあるが、まだ異教(イジャオ)の一部と教主のルグとか言うネクロマンサーが捕まっていない為、衛士があちこちで警備している。


 かがり火があちこちでたかれていて、逆にそれが綺麗だ。


「まあ、不謹慎ですけど、綺麗ですね」


 アオイが俺の手を握ってきた。


「まあね」


 俺が答えた。


 きっと、かがり火の配置や王城との距離などが絶妙で、これは計算され尽くしたものなんだろう。


「兄弟。すっかり、外は闇夜だな」


 アポリトが呟いた。


「ああ、それもあってかがり火を大量に炊いているのだろうな」


 俺がそれに同意して答えた。


 その時、空から変な黒いものが十メートルくらい前に降りてきた。


 なんだ、この黒いゴミみたいな奴は。


 その黒いものが立ち上がった。


「ふははははははははは、私を覚えているか! 」


 誰だろうと思って見れば、ファウロスだった。


「えええええ、身体がバラバラになったはずなのに、復活出来たの? 」


 俺が驚きを隠せない。


「ふははは、馬鹿め、あの時、俺は片腕と頭だけは何とか守って、他はバラバラにされたのだ。本来なら、そのまま海に漂うはずが、新しいマスターに拾われて、復活したのだ」


 ファウロスが嬉しそうに胸を張った。


「新しいマスターだと? 」


 アポリトがファウロスに問いただした。


「そうだ、ネクロマンサーのルグ様だ」


「はあ? 」


 いきなり、敵のトップやんか。


「見よ! この身体を! この国の最近亡くなった勇者の身体を移植して復活したのだ! 」


「え? ヴァンパイアじゃなかったのか? 」


 アポリトが唖然としてファウロスを見た。


「え? 頭と片腕以外はゾンビなの? 」


 俺も唖然として聞いた。


「ふははははははは、その通りだ」


 ファウロスが自信満々だ。


「いや、それ、出鱈目だろ! ヴァンパイアとゾンビとどっちなんだよ! 」


 俺があまりに無茶苦茶な話なんで突っ込んだ。


「ふふふふ、ハイブリッドと呼ぶがいい」


 ファウロスはくじけない。


「何なんだ、お前」


 アポリトが呆れ果てたように言った。


「何事だ! 」


 そこへ、チアンウェイがいきなり現われた。


 こいつ、こないだも突然現れたが、テレポート出来るんだな。


 この国では縮地とか言うんだっけ?


「こいつは一体、なんなんだ」


 チアンウェイが俺に聞いた。


「いや、上半身は君の眷属のヴァンパイアのシモベで、下半身はゾンビでネクロマンサーのルグに作ってもらったんだと」


 俺が呆れたように言った。


「なんだ、その出鱈目は」


 チアンウェイもかなり面食らったようだ。


「いや、俺に言われても」


「こいつも、やはりヤマトなのか? 」


「いや、元はパトリダの海賊だ」


 アポリトが横で答えた。


「名前はア〇ルオ〇ニーだ」


 俺が教えた。


「は? 」


 チアンウェイが凄い顔してる。


「その名前は止めんか! ファウロスだ! 」


 ファウロスが叫んだ。


「いや、ア〇ルオ〇ニーのインパクトが凄くて」


 俺が照れたように答えた。


「やかましいわ! 貴様だけは絶対許さん! 」


 ファウロスが俺に相対して身構えた。

 



  


 

 


 


仕事の休憩中に送ります。


今日も結局、二話投稿になりました。


いつも、読んでいただいてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ