第十二部 第二章 三カ国首脳会議
ヤマトとコンチュエとパトリダの御偉方の面々が会議室に座っている。
会議室と言っても、そこは三カ国の首脳が揃うための部屋の為、恐ろしいまでの豪華さだ。
装飾品も贅を凝らされていた。
その中で、グォクイ将軍が立ち上がると、皆を見回してから会議が始まった。
「共工を信仰している異教に襲撃されましたが、救世主殿のお蔭でほぼ全員を捕える事が出来ました」
グォクイ将軍が胸を張った。
「お蔭で首都フェイツィは汚物まみれだがな」
チアンウェイがグォクイ将軍の横でまだグチグチ言ってる。
「チアンウェイ。死者が殆ど出てないのですよ。これも救世主殿のお蔭ではありませんか」
女帝がチアンウェイを諌める様にじっと見た。
チアンウェイが膨れて横を向いた。
子供かよ。
「……で、ですな。問題は異教の教主たるルグと言う男が、まだ捕まっていないのです。そして、共工もまだ姿を消しただけで、倒したわけでもありません」
グォクイ将軍が咳払いをした後に続けた。
「つまり、再度、彼らの襲撃があるかもしれないと言う事ですな」
国王が頷いた。
「彼らの潜む場所とか分かって無いのですか? できれば共工が居る場所が分かると良いのですが」
ミヤタ公爵が聞いた。
ええええ、何か、今日はまともだ。
横にいるアオイやミヤビ王女など、皆が驚いている。
「どうした? お前達? 」
宰相が俺達に声をかけてきた。
「いや、まともな事言ってるんで」
俺が驚いたように言った。
「ああ、この人達、アニオタとか向こうの文化が絡まないと、凄くまともなのよ」
ミツキがしれっと言った。
それ、どうなんだ?
「え? でも、俺達に修羅とか猛禽とかぶつけて来たよね」
俺がミツキに言った。
キョウカさんとかユイナが下を向いた。
「いや、あれはヤマトの伝統行事だから」
ミオが言った。
「どんな、伝統行事なんだよ」
俺が吐き捨てる様に言った。
アポリトが思い出したのか身震いしてる。
「すいません。良いですか」
グォクイ将軍が俺に声をかけてきた。
「あっ、すいません」
俺が謝った。
「取り調べたところ、ルグと言う男はネクロマンサーのようで、かなり死霊を使うようです」
グォクイ将軍が皆を見回した。
「ネ、ネクロマンサー? え? そんなのいるの? 」
俺が驚いて聞いた。
「当たり前ではないか。この国では比較的、他国より多いぞ」
チアンウェイが何を言ってるんだと言う顔をした。
「死霊なんて、どうやって倒すの? 」
俺が再度聞く。
「ああ、ぶっちゃけ、ゾンビだぞ」
ミタライ公爵がぶっちゃけた。
「え? ゾンビなの? 」
「そーそー」
国王が頷いた。
「ゾンビ? 」
カザンザキスさんが聞いてきた。
「ああ、あちらの世界では死体のまま動いたり蘇ったりするのは、ゾンビと言うんです」
宰相が説明した。
カザンザキスさんが納得したように頷いた。
「とりあえず、我々としては、警吏に捜索させるとともに、共工が居る場所を軍隊で探すつもりです。そして、隠れている場所が見つかれば、我々の方から攻めるつもりです」
グォクイ将軍が皆を見回して再度言った。
「その攻める時には、救世主殿と皆様に協力をお願いしたいのです」
女帝が俺達を見て頭を下げた。
横でチアンウェイがふてくされてる。
正直、迷惑かけそうなんで、嫌なんだが、どうするか。
「分かりました。全力を持ってお手伝いしましょう」
横で勝手に国王が受けた。
全く、簡単に受けないで欲しかったんだが。
いつも、読んでいただいてありがとうございます。
ブックマークと評価をありがとうございます。
お陰様で盆の辛い仕事が笑顔で出来ました。
本当にありがとうございます。