第十一部 第七章 共工
どうにか、相柳を倒した俺達に雨が降りかかる。
「むう、ギリギリ間に合ったな。この雨で相柳の猛毒が地下に入れば、もうこの都は終わりであった。良くやったな」
樹老人が俺に感心したように座り込んだ俺の肩をポンポンと叩いた。
「まあ、ギリギリでしたね」
俺が一息入れて答えた。
「「それでこそ、ユウキ様です」」
ムラサキとアオイが頷きながらうれしそうだ。
「流石、我が夫じゃ」
龍女さんも喜んでる。
「お前ら、いちゃいちゃしてる場合で無い、あれを見ろ」
チアンウェイが遠くを指差した。
首都フェイツィの中央をツァイホンと呼ばれる大河の中流に全長が五百メートルはあろうかと言う巨神が現われている。
「共工だ」
でかい!
でかすぎる!
なんだ、あの大きさは!
「マジかよ。なんであんなにでかいんだ」
俺が呆れたように呟いた。
「巨人伝承があった神代の話だからな」
カザンザキスさんが言った。
「あ、あれを倒すの? 」
なんか、無茶っぽい。
本気で無理じゃないか?
「ぐぉおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!! 」
共工が雄叫びをあげた。
それと同時に雨が滝のような集中豪雨に変わる。
「むう。これが進撃の巨人と言う訳だな」
横で国王がアホな事を言い出した。
「「「「「おおおおおお! 」」」」」
イジュウイン大公、サイトウ公爵とミヤタ公爵とスギモト公爵とミタライ公爵とフジワラ侯爵も横で感動している。
ああ、進撃の巨人なんて教えるんじゃなかった。
アホに磨きがかかってしまった。
「あ、あの人達は無視でいいですから」
ミヤビ王女が機先を制して、チアンウェイに言った。
「大変です。このままではツァイホンが洪水を起こし、首都フェイツィに大被害が出ますぞ」
グォクイ将軍がこちらにやってきて、チアンウェイに報告した。
「とりあえず、民の救出を急げ。我らは女帝の元に行く」
「分かりました」
グォクイ将軍が即座に衛士達に指令を飛ばした。
確かに、性格には難があるのだが、常に民の事を考えているだけに、為政者としては立派なのだろう。
横でヤマトの国王達が立体起動だのなんだのと騒いでるの見て、余計にそう思う。
やっぱり、ヤマトはあかんわ。
「なんで、ヤマトはこうなったんじゃろうな」
樹老人の呟きが胸に刺さる。
せつない。
その時、王城の向こうで激しい騒ぎが起こる。
「敵だ! 敵が攻めて来たぞ! 」
王城の向こうで衛士の叫び声が聞こえた。
「くそっ、とうとう動き出したか」
チアンウェイが舌うちした。
「何者ですか? 」
グォクイ将軍がチアンウェイに聞いた。
「異教の奴等よ。女帝には言って無かったが、共工にあわせて攻めてくる動きがあったのだ」
チアンウェイが言った。
いや、分かってたなら、対策打っとけよ。
やっぱり、ヤマトほどでは無いが、どっかおかしいな。
すいません。仕事の合間で家に戻ってきて、仕事に再度出る前にパソコン見たら、ブックマークをたくさんありがとうございます。
ちょっと、いろいろと元気無かったんで、皆さんに元気をいただけました。
本当にありがとうございます。
話の貯金が厳しいけど、もう一本、本日、投稿させていただきます。
仕事がブラックだけど、頑張ります。