表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
113/2597

第十一部 第三章 相談

 あれから、俺達は第二迎賓館と言うか、昔の旧館らしいが、貴賓を泊める施設の方に移された。


 流石に、コンチュエは大国で、設備は少し古いが、十二分な広さと豪華さで、逆にあちらの迎賓館よりも質は上なんでは無かろうか。


 とりあえず、客間らしい広間で、皆と一服してる。


 お茶が名産らしく、あちらの世界のお茶と同じもののようで、かなり美味しい。


 皆とお茶をすすりながら座っていると、なんか、向うの世界に戻ったようだ。


「しかし、ミツキも余計な事を言わんでもいいのに」


 俺がミツキに注意した。


「いや、だって、向うの世界を称賛してるのに、向うの文化を蔑むと言うのはどうかと思ってさ」


 ミツキがいたずらっぽく笑った。


「ちょっと、皆に女媧(じょか)と俺達の母親の姿がそっくりと知れ渡ったら警戒されるかな」


 俺が少し不安そうに聞いた。


「大丈夫じゃないかな。コンチュエは伏羲(ふくぎ)様の血筋であるし、女媧(じょか)様の家系には同情的だと思う。そもそも、兄妹や姉弟って話もあるくらいの身内だしね。夫婦だったと言う話もある」


 カザンザキスさんが言った。


「それは心配ない。わらわが女媧(じょか)様を崇拝しても問題ないようにな」


 いきなり、真横でチアンウェイが答えた。


「「「おおお」」」


 いきなり、唐突に現われたんで、カザンザキスさんとか茶をこぼしてしまってる。


 神出鬼没だな。こいつ。


「ノックくらいしろよ」


 俺が呆れて言った。


「直接、ここに現れたのじゃ、ノックなどできんわ」


 チアンウェイが答えた。


「ユウキ殿の隣とは失礼な奴め」


 チアンウェイと俺の間に無理矢理、龍女(りゅうじょ)さんが座って言った。


「なんじゃ、焼きもちか」


 チアンウェイが嫌味っぽい顔をした。


「馬鹿め、妻としては当然の事よ」


 龍女(りゅうじょ)さんが笑って答えた。


「そのとおりです」


 ムラサキが俺に抱きついてきた。


「愛されてるようじゃの」


 チアンウェイが俺を見てにやにやしてる。


「で、何か話があるのか? 」


 アオイとかの目が怖くなってきたので、慌てて、話を変える様に言った。


「ふむ。実はお前に助力を頼みたい」


 チアンウェイが俺をじっと見た。


「助力? 」


「うむ」


「実は、女媧(じょか)様の配下が動き出したのも、そのせいなのだが、女媧(じょか)様が封じた共工が復活しそうなのじゃ」


「共工って? 」


「共工って、あの洪水とか起こす神ですか? 」


 カザンザキスさんが驚いた。


「むう、それはまずいな。共工を討った祝融殿はあちらの世界に行ってしまってるはず」 


 樹老人(じゅろうじん)が深刻な顔をしてる。


「お主なら、<終末(おわり)の子>であるし、リヴァイアサンも連れてきているのだろう。なんとか出来るかと思ってな」


 チアンウェイがにやりと笑った。


「いや、こちらを襲撃しといて、言う? 」


 俺が困ったように答えた。


「なんじゃ、細かい事を気にするんじゃの? 」


「え? 細かい事なん? 」


「そうじゃろうが、万民が被害に合いそうなとき、そういう細かい事を気にする出ないわ」


 チアンウェイが呆れたような顔をした。


 いや、統治者としては正しいだろうけど、人間としてはどうなの?


「あ、その為の戦力が欲しくて、女帝様を操ったわけね」


 ミツキが納得したように聞いた。


「まあ、そういう訳じゃ。女帝(おばさま)に説明したら、最初から言いなさいと怒られたがの」


 ふっと格好つけたように溜息をついてチアンウェイが言った。


 いや、やっぱりずれてるだろ。


 可愛がられてるんだから、言えば良いじゃん。


「まあ、女帝(おばさま)に心配を掛けたくなかったと言ったら、喜んでくれたわ」


 チアンウェイがふふんと言う感じに答えた。


 え?


 やっぱり、コンチュエも少し帝系はおかしいのか?


 ヤマトも変だもんな。


 神族自体に問題あんのかね?


「でじゃ。どうじゃ、助けてくれんか? 」


 胸を張ってチアンウェイが聞いてきた。


 とても、人にものを頼む感じでは無いな。


 困ったもんだ。


 俺がため息をついた。

 

  












 


 ブックマークありがとうございます。


 本当に励みになります。


 盆に仕事だけど、心が救われます。


 本当にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ