第十部 第十章 エピローグ
「ほほほほほ、やるわね。でも、私もこの程度なら出来るのよ」
チアンウェイがこちらに手をかざす。
「スキル爆裂」
「スキル高速逃亡」
やばいような気がしたので、俺がスキルを被せる様に発動させて、その場の皆を即して離れた。
と、同時に、俺達のいたあたりが大爆発を起こす。
爆龍王ゴウオウ並みの破壊力だ。
これは凄い。
「ほう、身体が軽い。これがユウキ殿のスキルか」
。
龍女さんが感心してる。
「逃げるの特化だけどね」
ミツキが笑った。
「どれ、あの娘、なかなかやるのう」
再度、龍女さんが手をかざすと、神殿の奥が次々と爆発を起こす。
神殿の大きな、石の扉が崩れ落ちて、巨大な女性の神像が露わになる。
美しい女性の神像だ。
豊満な胸に美の結晶のような容姿。
「おおおお、女媧様の神像が! 」
チアンウェイが叫んだ。
女媧?
中国の古代の女神で人類を想像したとも言われる、神様か?
「グォクイ! 良く見よ! 我らは女媧様の兄妹であり夫婦でもあると言われる伏羲様の血筋ぞ! そこにおるヤマトのものに従うような血筋では無い! 」
チアンウェイがグォクイ将軍に叫んだ。
「な、何をおっしゃいます! あちらの世界は我らの敵なのですぞ! まして、女媧は我らの最大の敵なのですぞ! 」
グォクイ将軍が叫んだ。
「良いか救世主とやらよ! 貴様は、この国から逃がさぬ! 必ずやわたしが引導をわたしてくれるわ! 」
チアンウェイが俺に向かって叫んだ。
でも、俺はそれよりも衝撃的なものを見て動けなかった。
ミツキも同じだろう。
「あの、女媧の姿は間違いないのか? 」
俺が樹老人に震えながら聞いた。
「ああ、蛇神とされるが、実際はあのような絶世の美女だ」
樹老人が答えた。
「本当にあの姿なのか? 」
もう一度震えながら樹老人に聞いた。
「なんじゃ、動揺してるのか? 珍しいの。間違いないわ」
樹老人が少し驚いたように言った。
「……母さん」
ミツキが呟くように言った。
「なに? 」
「なんで、俺の母親にそっくりなんだ? 」
俺も我慢できずに言った。
「なんだと? 」
樹老人が驚いたような顔をした。
目の前で神殿が崩れ落ち、神像にも岩が落ちて崩れていく。
「救世主とやら、戦いは一旦預ける! 次回はこうはいかぬぞ! 」
チアンウエイがスキルで次々と神殿の上を破壊した。
「ほーっほっほっほっほ! 」
チアンウェイの声が響き渡る。
たが、俺とミツキは神像の事で、その場を動けないでいた。
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