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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第十部 第八章 ゴーレム

「ははははは、暗闇へようこそ」


 地下の真っ暗闇の中で、マストの上にいたヴァンパイアの声が響く。


 なるほど、これを狙っていたわけか。


「スキルオールライト」


 キョウカが叫んだ。


 と同時に当たり全面が昼の様に照らし出された。


「おおお、凄いスキルだね」


 俺が驚いた。


「しばらくは持ちますよ」


 キョウカが笑った。


「ありがとう」


「いえ、妻ですから」


 キョウカが頬を染めて俯いた。


「ちっ」


 クニヒト大佐が横で舌打ちする。


 一応、キョウカさんは王女なんだが……。


 その隣のアポリトの俺をあわれなものを見るような目が辛い。


 俺達のいる上をへし折られた石柱が飛ぶ。


 そこに十メートルくらいの大きさのゴーレムがいる。


 その向こうには狼男。


 そして、向うの石柱の上には、あのマストにいたヴァンパイアがいる。


 ここは。古代の神殿のようだ。


 しかも、10メートルのゴーレムも自由に動けるくらい広い空洞になっている。


「ここが、女帝様が入られた地下の遺跡です。昔の神殿のようですが」


 グォクイ将軍が辺りを見回して警戒してる。


「むうう、狼男とヴァンパイアとゴーレムか」


 イジュウイン大公が腰を打ったのか手で押さえてる。


「違うな」


 国王が断言した。


「あれはフランケンシュタインだ! 」


 国王がゴーレムをびしっと指差して叫んだ。


「「「「「「は? 」」」」」


 俺とミツキや宰相など、元日本にいた事のある人間が唖然とした。


「フランケンシュタインとは? 」


 カザンザキスさんが不思議そうだ。


「向こうの世界でフランケンシュタイン博士が作った怪物の事です」


「は? ゴーレムの事をそういうの? 」


「いえ、ゴーレムとは違うんですけど」


「兄弟。あれ、ゴーレムだぞ」


 アポリトが言った。


「いや、フランケンシュタインだ! 」


 国王はさらに断言した。


「はっ、分かりました。つまり、今回の黒幕は……」


 宰相がはっとした顔で口を押えた。


 その時、イジュウイン大公、サイトウ公爵とミヤタ公爵とスギモト公爵とミタライ公爵とフジワラ侯爵もはっとして口を押えた。


「分かりましたよ! そういう事だったんですか! 」


 ミヤタ公爵が叫んだ。


 一体、何だと言うんだ。


 訳が分からん。


「ドラキュラ男と狼男とフランケン。つまり、今回の黒幕は怪〇君だと言う事だ!」


 国王が皆にびしっと言った。


「「「「「「おおおおおおおお! 」」」」」」


 イジュウイン大公、サイトウ公爵とミヤタ公爵とスギモト公爵とミタライ公爵とフジワラ侯爵が感動したようにどよめいた。


 横でキョウカが漫画大全を開いた。


「怪物〇……あった。藤子不〇雄Ⓐによる日本の少年漫画。怪物ランドから人間界へやって来た不思議な少年、怪物くんとそのお供であるドラキュラ、オオカミ男、フランケンが巻き起こす騒動を描くモンスターギャグ漫画である」


 キョウカが読み終わると本当に呆れ果てたような顔をして本を閉じた。


 横でユイナとミヤビ王女とミオが哀しい顔をしている。


 その横でカザンザキスさんが頭を抱えている。


 グォクイ将軍は異界のものを見るような目で、ヤマトの国王たちを見てる。


 狼男もヴァンパイアもゴーレムも理解できないらしくて、ぼーっとこちらを見てた。


「すいません。悪いけど、俺達、帰ります」


 俺がそう言って、アオイやミツキ達を連れて帰ろうとする。


「いやいや、怪物〇が敵なんだから、ここは君に頑張ってもらわないと」

 

 国王が必死になって俺を止めようと俺の服を掴んだ。


「いやいや、もう付き合ってられないです」


 俺も疲れ切ったような顔で答えた。


「怪物〇なんか、手が伸びるんだぞ」


 宰相も必死になってる。


「ほら、向うのモンスターの方々もどうしていいか分からんで、宇宙人を見るような目でこちらを見てますよ」


 俺が狼男やヴァンパイアなどを指差した。


 本当に狼男もヴァンパイアもそう言う顔してる。


 さすがに、ゴーレムの表情は分からんが。


「おじさん達がいるとお笑いにしかならないね」


 困った顔でミツキが言った。


「お前のパパなんだぞ」


 国王が俺をがしっと捕まえた。


「ギャラ〇ティカファントムぅぅぅ! 」


 今度は左のフィニッシュブローで国王を殴った。


「「「「おおお、リ〇かけか! 」」」


 宰相とイジュウイン大公、サイトウ公爵とミヤタ公爵とスギモト公爵とミタライ公爵とフジワラ侯爵が喜んでる。


 殴られてるはずの国王も喜んでるから、もう、どうしょうもないわ。


 

  


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