第十部 第一章 プロローグ
カルロス一世の結婚式は滞りなく行われた。
後で、俺が、あれはお前の親父かってんで、胸倉掴まれてゆさゆさされたくらい。
それ以外は俺の結婚式が来年に決まった事くらいで何も問題ないのだが。
はあ、来年、結婚かよ。
もう少し、ふらふらしたかったな。
式の後にコンチュエの皇族の方より、女帝から書簡を貰って正式にまた来てほしいと言われた。
病気の件でも相談があるらしい。
正直、医者じゃないので、断りたかったのだが、横にいる嫌な親族のヤマトの面々が行くと勝手に返事して、しかも、ついてくるらしい。
コンチュエは前回の事もあるので、本当に行きたくないのに、本当に困った親族だ。
ミヤビ王女も溜息ついてた。
パトリダの豪華高速帆船に乗ったら、ヤマトの旗艦艦隊がついてくる。
夕暮れにクニヒト大佐やアオイやミヤビ王女やミツキ達と甲板に出て、後ろからついてくるヤマトの旗艦艦隊を見ていた。
思わず、俺が胸を押さえる。
「胃が痛い」
「分かる」
クニヒト大佐が頷いた。
「まさか、こないだの歓迎会みたいなのが大規模にあるんじゃないだろうな」
「ヤマトの旗艦艦隊ついてるから、有り得るわね。ヤマトの国王と宰相もついてくるわけだし」
ミヤビ王女が困った顔をしてる。
「あいつら、暇過ぎだろ」
俺が愚痴った。
「そうでも無いぞ」
いきなり、横にヤマトの国王が居る。
「……なんで、こっちに乗ってるの? 」
「そりゃ、お義父さんとして、君と話をしょうと思ってさ」
気が付いたら、横にヤマトの宰相まで居る。
なんだ、これ。
ミヤビ王女が頭を抱えている。
「いつのまに乗ってたの? 」
アオイがあきれ顔だ。
「いや、一応、お義父さんと話をしてたんだ」
宰相が言った。
そう言えば、カザンザキスさんって、この宰相の義父なんだよな。
「龍女さんも現れたなら、いよいよ本格的になってくるしな。今後の事考えると、コンチュエも重要な国だからな。表敬挨拶とともに、いろいろと話さないといけない」
国王が珍しく真剣な顔をしている。
「それなら、俺、別にいらなくない? 」
「いや、お前が中心の話じゃんか」
「兄貴も出て来たしな」
「拒否ったと言うか、こっちに呼び戻すのを潰されたんだよな」
国王が首を傾げてる。
「え? 何、その話? 」
ミツキが横に来て聞いた。
「聖樹様がシュウジを帰還をさせようとしたのを向こうに邪魔されたんだ」
「え? そんな話は初めて聞いたけど」
「良く分からなかったから、黙ってたんだ」
国王が困ったような顔をした。
「邪魔できるとしたら神族しかいない。それを危惧してるんだよ」
カザンザキスさんもそばに来て言った。
「元々は神族同士の対立から、世界の分離が始った。向こうは、神族の数が少ないので、科学技術の発達と言うやり方で、戦力を補った。だが、それを破壊されてるなら、こちらに連中の眷属が来てもおかしくない」
樹老人もカザンザキスさんの肩に乗ってる。
「つまり、親父に誰か向こうの神族がついていると言う事ですか? 」
「そうだ。だからこそ、ここは有力な力を持つコンチュエと話をしないといかん」
「と、とりあえず、その手の話はパスと言う事では駄目でしようか」
俺が真剣なまなざしで聞いた
「なんでやねん」
樹老人が呆れ顔をした。
「めんどくさいからです」
俺がキリッとして答えた。
「お前は<終末の子>の自覚を持てよ」
「いやいや、子供の時から、お前は<終末の子>なんだと言われて育ったわけじゃないし。そりゃ、無茶ですよ」
俺が肩をすくめて言った。
「分かった。じゃあ、そこはパパに任せろ」
国王が笑顔で言った。
「ギャラ〇ティカマグナムぅぅぅぅ! 」
思わず、パパと言う言葉に反応して、右ストレートで殴ってしまった俺だった。
すいません。仕事の都合上、今後は一日一回のみ更新になると思います。
本当にすいません。
どうか、今後ともなんとか読んでくださいませ。