第九.五部 第十章 エピローグ
「えっ? 」
親父がパワードスーツから出て、花嫁衣装を着てるルイ叔母さんとヒトミ叔母さんとアイ叔母さんを見て驚いてる。
「け、結婚式なの? 」
親父が俺を見て聞いた。
「そーだよ。親父の姉と妹二人の叔母さんの結婚式」
俺が答えた。
「ま、まあ、結婚してないだろうなと思ってたけど、三人とも同じ人と結婚すんの? 」
親父が本当に驚いてる。
「そうだぞ、シュウジ。エテルノ王国のカルロス一世陛下だ」
国王が言った。
「兄貴もいるのか。すると本当に結婚式なんだな」
親父が凄く失礼な事を言った。
「ち、ちょっとちょっと」
ミツキが思わず突っ込んだ。
「やっと、姉さん達が結婚するんだから、兄貴は暴れないでくれよ」
宰相が注意した。
「うわぁぁぁ、美男子じゃん」
親父がカルロス一世を見て驚いた。
「そうだよ」
ミツキが笑った。
「しっかし、一人だけでも凄いのに、あの三人と結婚するとは……」
親父が糞失礼な事を言ってる。
「シュウジぃぃぃぃ」
ルイ叔母さんの震えるような殺気立った声が式場に響く。
勇猛で有名なココドウリロの連中が震えあがってる。
「むう。昔と変わらない恐ろしさだな」
親父の突込みが止まらない。
笑いながら言ってるところが親父の凄い所だが。
「よし、これはあれだ」
親父が言って、びっと敬礼した。
「勇者に敬礼っ! 」
親父がカルロス一世に敬礼しながら叫んだ。
すると、ココドウリロの連中も一斉に敬礼をした。
俺もヤマトの連中もした。
凄い厳粛な雰囲気だ。
誰もがカルロス一世が勇者であることを認めたのだ。
それを見て、カルロス一世がその場で崩れ落ちた。
「じゃあ、せっかくのお祝いごとなんで、今日は帰るわ」
親父が俺達に笑いながらパワードスーツで帰っていく。
「じゃあ、お幸せに」
親父が最後に言ったら、カルロス一世がその場に突っ伏した。
会場の男の誰もが涙を流している。
ココドウリロも泣いている。
せつない。
皆男泣きしてる。
「明日は我が身だからな」
横のクニヒト大佐が切なさそうに呟いた。
本当に、やかましいわ!
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