はーちゃんとななさんとしぐちゃんと。
妄想を形にしたかった。
ただそれだけで、電車の移動中に書き上げちゃいました。
私ははーちゃんこと89式が好きなのですが、しぐちゃんことSG550と、最近ななさんことHK417にも浮気(?)しておりまして……。
もしはーちゃんに黙って二人(二丁?)を家に招いたら(購入したら)きっとこんな感じなんだろうなー、と。
あまりストーリー性はないかもしれません。
「ねぇ、あの娘、誰なの?」
「…………」
家に帰るなりいきなりはーちゃんに問いただされております…………。
どうやら、私がだれかと会っているのを目撃されてしまったようです。
「いや、あの……しぐは友達で」
「ふーん、ずいぶん大きな娘だったけど、やっぱりおっきい娘の方が好きなんだ?」
「え? しぐはそんなに大きくないはずだけど……」
「…………」
すごくジト目で見つめられています。
どうやら墓穴を掘ってしまったようです。
恐らく、はーちゃんが見たのはしぐちゃんではなく、ななさんのことです。
しぐちゃんははーちゃんとあまり変わりませんから。
「そーなんだ。あの娘だけじゃないんだ」
「いや、あの……その…………」
鋭い眼光 に睨まれ、少しも身動きがとれなくなってしまいました。
「…………」
「…………」
永遠にも等しい時間が流れていきます。
はーちゃんは私が話し出すのを待つようです。
ピンポーン
と、チャイムが鳴りました。
だれかがやって来たようです。
はーちゃんが無言で来客を出迎えに行きます。
ひとまず助かった…………と、息をはきました。
「こんにちはー」
はーちゃんの後をついてきたのは、はーちゃんよりも大きい娘で、なんとななさんでした。
もう汗が止まりません。
「あれ? どうしたの?」
事情を知らないななさんは、なぜ私が固まっているのかよく分かっていないようです。
そんな私の正面に、ふたたびはーちゃんが座ります。
もうヘビに睨まれたネズミどころではありません。
「えーと、はーちゃんさん、だよね? これから一緒にお世話になります、ななです」
なので、普通に自己紹介とかしちゃってます。
「ジー……」
はーちゃんの眼光がますます厳しくなりました。
「…………」
最早言い訳もできません。
そこへ、ななさんがはーちゃんに聞こえないように耳打ちしてきました。
「もしかして、まだ話してないの?」
頭を数ミリだけ縦に動かし、うなずきます。
「あちゃぁ……不味いときに来ちゃったね」
私の隣にななさんを追加し、もう黙っているだけでも撃ち抜かれそうなオーラをはーちゃんが出しています。
ピンポーン
と、再びチャイムが鳴りました。
はーちゃんがやはり無言で来客を出迎えに行きます。
「まさかまだ話してないとは思わなかったよ」
ななさんが小さい声で言います。
「いや、言おうとはしたんだけど、なんか言い出しづらくて…………」
玄関にいるはーちゃんに聞こえないように小声で返します。
「はーちゃんってこういうの厳しいの?」
「はーちゃんはあんまり他の娘知らないから、敏感なのかも」
等と話しているうちにはーちゃんが戻ってきました。
「こんにちは」
後ろにしぐちゃんを連れて。
「…………どうかしたんですか?」
やはりしぐちゃんも状況を飲み込めていないようです。
はーちゃんはもう激発寸前です。
安全装置はとっくに解除されています。
照準は私の頭でしょうか……。
「あ、あの! ちょっと、遅くなっちゃったけど、はーちゃんに話さなきゃいけないことが…………」
意を決して言葉を出したのですが、無言の圧力にもう決意が崩れそうです。
「こ、こちらが、ドイツからやってきたななさんで、こちらがスイスのしぐちゃんです…………」
二人の紹介をすると、ますますはーちゃんの表情が強ばります。
「き、今日から! 一緒に暮らすことになります!」
一発もらう覚悟を決めて最後まで言い切りました。
はーちゃんは、一瞬目を細め、そしてはぁ~と息をはいて胸を撫で下ろしました。もう鋭い眼光はありません。
「なんだ、そうならそうって言ってくれればよかったのに」
「いや、なんか……言い出しにくくて」
「ふーん…………私が嫉妬するとでも思った?」
「今まで他の娘ってきゅーちゃんしかいなかったから……」
「確かに、急に外の娘が来たからびっくりしたけど、よその娘じゃないなら別にいいよ」
なんか、もっと正直に言っておけば良かったです。
「はぁ~。緊張した~」
「ごめんごめん」
はーちゃんを膝にのせて撫でます。
「ふにゃ~」
はーちゃんはいつものはーちゃんに戻りました。
「妬けるわね……」
「…………そうですね」
後ろでななさんとしぐちゃんがなにやら羨ましそうにこちらを見ています。
なので、二人にも撫で撫でします。
「わ、ちょっと!」
と言うのがななさんで、
「…………」
黙って撫でられているのがしぐちゃんです。
夜になると、全員の食事をして、三人をベッドに寝かせます。
「おやすみ」
そして自分もベッドへ入りました。
「急に押し掛けてごめんね」
ななさんが言います。
「……すいません」
しぐちゃんも続けました。
「ううん。賑やかになって嬉しいよ♪ これからよろしくね!」
そして、三人仲よく眠りにつきました。
「あ、でも添い寝は私だけの特権だからね!」
「添い寝!?」
しぐちゃんは顔を赤くしてなにも言わなかったそうです。
はーちゃんは専守防衛以外の任務に着くことがなく、外国の娘と出会う機会も少ないからきっと私を心配してくれていたんです。
はーちゃんはきっと心優しい娘なのです。
私の主観では、はーちゃんはかっこいい娘で、しぐちゃんは美しい娘で、ななさんはかわいい娘なのです。
画像を比較してもらえれば分かるはず!