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魔法の驚異


「はぁ、なかなか上がんないな」



そう言いながらカイトは2匹の赤猪を相手にする


赤猪とは、名前の通り赤い猪で、その2本の鋭い牙で突進攻撃を仕掛けてくる

HPは灰猪の約1.5倍、攻撃力は約2倍である


そのため、初心者が複数体に挑もうものなら、簡単に倒されてしまう


そしてこの世界での死は現実世界での死を意味する、なので初心者はLv.が上がるまでこいつには挑まないのだ



ちなみに赤猪を倒すための最低必要Lv.は24とされている


しかし一人、違うものがいた



「行くぜ…『飛雷』!」


カイトの使用した技は飛雷、ライトニング・スラッシャーを装備した時に使える、SPDを上昇させる技だ




「ブモ…?」



実に一瞬、2匹の赤猪は先程まで目の前にいた標的が消えて間抜けな声を出す





「ここだ!!」



その瞬間空から斬撃、敵の不意をついた攻撃によりクリティカルの文字が発生


そして、一匹目の赤猪が倒れて消滅する



「ブモーーー!!」


冷静さを失ったもう一匹の赤猪の牙攻撃



しかしその牙は空を切る


SPDの20%UPですら、敵にしては一瞬で消えたかのように感じるものだ




「おらっ!」



背後からの一撃、もう一匹の赤猪も消滅した





ただいまカイトはサラライカから西に進み、次の街である、レスチオンへ向かっていた


ちなみに基本はストーリークエストを進めながらやるゲームなのだが、レスチオンまではストーリークエストをクリアしなくても行ける




「ここか」



そしてついた街、森林を抜けた先にあったのは普通に田舎と都会の間、と言う感じの街である



現在のカイトのステータスはこちら



Lv.21

職業 ウォーリア(職業Lv.1)

技 連続斬りLv.3 回転斬りLv.3 真空波Lv.3 飛雷Lv.1

スキル 無し

装備 鉄の鎧

ライトニング・スラッシャー

神秘の首飾り






「おいおい、そこのお前」




街の光景を見ていると現れためんどくさそうな男、赤色の髪をバンダナで上にあげている、実にめんどくさそうである



「よし、街に行ってみるか」



「いやおい!無視すんなよ!」


反応しないとダメらしい、なんとめんどくさい



「で、なんだよ?」



「お前、見たところまだこの世界に来たばっかりだな」



「あぁ、3週間くらい前だよ」



実はまだ2週間経つかどうかくらいである



「ふっふっふ、なら俺とPVPしな」


「拒否る」


「なぜ!?」



こいつはまだ気付かないのか、明らかにめんどくさがってることに



「頼むよ〜PVPで勝たないと職業Lv.上がんないんだよ」


カイトの耳がその言葉を取られて反応する



「なんだ?PVPで勝てば職業Lv.が上がるのか」


「あ、あぁ」



「お前レベルは?」



「26だぜ!」



そこでカイトは気づいた…



この差なら勝てる!!




「よし、やろうぜ」




この雑な会話で始まったカイトの初PVP戦


フィールドは街の外に出て、相手から送られてくるPVPの誘いを承認すると自然に決まる



丸で囲まれた中で争うのだ


ちなみに街の中だと一部の場所でしか戦えない、今回は相手、名前はクラッシュだったかな、からの提案で外になった



「さぁ、始めようぜ、準備完了!!」



お互いの名前が出たボード、クラッシュが準備完了を叫ぶと、名前の下に準備完了のマークが



「こっちもだ、準備完了」



カイトの方も同じマークがついた



「何だお前、Lv.21か、俺の勝ちだな」



PVPが始まると、相手のHPゲージ、そして名前とLv.の情報が入ってくる



「まぁな、俺の武器はこれだ」



カイトが出したのは雷をまとう剣、ライトニング・スラッシャー




「ほぅ、ウォーリアか、だが相性が悪かったな、俺はマジシャンだ」



そういってクラッシュは赤色の杖を出す、杖の先には丸い石がついている


というかこいつ、見た目的にウォーリアかと思ったぜ


[バトル開始]



ボードが出現する、これから相手のHPの0にした方の勝ちである、そしてPVPで、倒されても、試合終了と共に元に戻れる



「行くぜ〜『ファイアブラスト』!!」



炎の光線?と思われるものが2つ襲ってくる


「うおっ!!」


からくもよけるが、こんな攻撃されてたら近寄れない、どうするか



「ほらほら『魔弾』」


魔弾とはマジシャンがMPを消費せずに出せる唯一の攻撃、攻撃力は消費する魔法と比べると少ないものの遠距離まで届く魔弾はウォーリアには天敵である


ちなみにMPは時間でどんどん回復する



それに比べウォーリアの技は気力を消費して放つ、しかし気力はMPと違って回復の時間が遅い、なので技を乱用しているとすぐ負けてしまうのだ



「おらおら!逃げまくってるだけか?」


クラッシュの魔弾が連発で襲いかかる




「くっ!!」



近接攻撃とは勝手が違うため、実にやりにくい



「そこだ!『ネイチャーバインド』!」


クラッシュの足元からツルが伸びてカイト之足に結びつく



「しまっ…」




「そこだ!『ファイアブラスト』!!」



炎が無防備なカイトに直撃する





「どうだ、これがマジシャンだ」




「はぁはぁ、強いな」



ライトニング・スラッシャーである程度の衝撃をくらったため、ダメージを軽減したもののHPゲージは3割削られている



「ふふふ、こっちのHPはまだ満タン、これは勝ったな」




「くっそ〜、こうなったら…」



カイトが剣を構える



「『飛雷』!」



瞬間、カイトの姿が消える




「いや、そうじゃねぇ…これは」



何かを察知するクラッシュの背後には青い雷を纏うカイトの姿


飛雷は大体1バトルに1回しか使用できない、そして現在の持続時間は1分、つまり




「これがチャンスだ!!」



「させるか!!『バリア』」



カイトの移動を察知したクラッシュが守備魔法を発動する




「『連続斬り』!!」



連続斬りのLv.は3、初期と違い、3回連続の斬撃がクラッシュに激突



一撃目でバリアを切り裂き、残り二撃はクラッシュを襲う



「ぐわっ!!」



今の攻撃で7割は持っていった、しかし!





「あと40秒なんだよ!!」



吹き飛ぶクラッシュが体制を立て直すと凄まじい速度で襲いかかるのはカイトの斬撃



「は?ちょ、おい、まて…」



斬撃、斬撃、斬撃…………



迫り来るその斬撃の数にクラッシュの防御が間に合わない



HPゲージが凄まじい速度で減っていき




《勝負決定、カイトWIN!!》



そのボードと同時に飛雷が解除された








「お前…強いな」



「いや、ほら、魔法強いからさ、打たれないうちに勝っちゃおうかなって」




「はは…すげぇ」



クラッシュが驚いたのはその魔法を打たせない速度でのあの攻撃、それを実行するカイトである



「なぁ、フレンド登録しとこうぜ」




「あ、あぁ」



「次は負けないからな」



クラッシュはそういい手を差し出す




「おう!」



カイトも手を出し、硬い握手をかわす




そして、クラッシュは次の街へと、旅立つのであった

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