悲劇の始まり
~北エリア『爽魔の洞窟』~
「よっ、ほっ、はっ」
ダークハウルとなったカイトが退治しているのは剣と盾、たまに槍をもった骸骨、鎧を着たのもいる
名前『スケルトンソルジャー』
数は
「ふぅ、多くなってきたな」
50体である
コツコツ、ガタガタ、骨の音を鳴らし迫り来る骸骨たち、しかしカイトのようすに焦りは見えない
「すぅ…………『暗黒斬り』」
瞬殺、その言葉を連想させるかのようにデータの塵となる骸骨たち
通常アンデッドモンスターはHPが一撃で0にはならず、1など残って、油断したところを攻撃される、しかし、カイトの攻撃は骸骨たちにHPが残るのを許さなかった
「あーぁ、あらかた片付いちゃった」
残ったのは約10匹
既に迫っている
「っと、暗黒斬りは1回使うと当分技を使えないくらいの気力消費だからな、少しは休ませてほしいぜ」
剣をライトニング・スラッシャーで受け止める
そのまま体を捻り、ライトニング・スラッシャーを剣にすべらせる
「よっと」
骸骨をまっぷたつに斬撃
しかしHPは僅かに残りその鋼色の剣で攻撃を繰り出してくる
「おいおい、待ってくれよ」
ライトニング・スラッシャーは滑らかな動きでその斬撃を食い止める
しかしそこに
カクカクカクカク
さらに3体の骸骨による、斬撃、突撃
「くそっ……」
さすがに距離を取る
「あー数が多い!」
カイトがアイテム欄から武器を変更する
しなやかな刀はカイトの手に馴染み、まるで武士を思い立たせる
刀『残月』
片手剣のような素早い連続攻撃はないが、一撃の威力、攻撃範囲は片手剣をはるかに凌ぐ
「いくぜ!」
刀は骸骨たちの武器を砕きながら、HPを削りきるのであった
~東エリア サラライカ武器屋~
「は?ダークハウル?」
カイトの言葉にカンナは首を傾げる
「ほら」
そういって自分のステータス画面を開く
名前 カイト
Lv.19
職業ダークハウル(職業Lv.1)
技 真空波Lv.6 蒼雷斬りLv.4 雷宙斬りLv.3 雷光斬りLv.2 飛雷Lv.5 効果時間4分 +30% 暗黒斬りLv.1
スキル 『魔神』
装備 ライトニング・スラッシャーLv.3
ブラックローブLv.5
カンナはむむむ?とかいって、眺めている
「あ〜カイトくん浮気してる、許せないな〜」
そこにユリがやってきて、二人はステータスをまじまじと見ていた
「すごいね、こんなの見たことないわ」
「マジックブレイカーより強いのかな?」
カイト的にもダークハウルの強さは確かにきになった
しかし、Lv.19で既にCランクモブとはいえ、スケルトンソルジャーの50体同時討伐を可能にしている
「あ、そうだ、カイトくんこのストーリークエストってもう受注可能?」
そういってユリが見せたのは、北エリアのダンジョンへと繋がる道の開放に必要なクエスト『まがい物』であった
「え、うん、一応出てるよ」
「じゃあさ、一緒にやろうよ、せっかくだし」
「おっけ、いいよ」
そう言ってユリとは2日後の出発予定にした
「はぁ、俺は特にやることないんだよな〜」
そんなことを言っているとサラライカの広場が騒がしかったので行ってみた
「な……なんだこれ… 」
カイトが見たのは赤い液体で『プレイヤー狩りをはじめる』と書いてあるのだ
そんなカイトを…静かに見る男がいた
~サラライカの一角~
「くくく、D、みんな怖がってんぜ」
「落ち着けG、時はまだだ」
「……」
「くくっ、おいJ、黙っちまってどうしたよ」
「……黙れ」
この三人の正体を知るのはまだ、先のことだった