番外編 カイトと海斗
今回は記念すべき番外編第一弾!!
カイトの本名とその剣技の秘密が明らかに?
どうぞ、お楽しみください
これは、カイトがDHOを始める前のお話である
2025年、カイト…現実世界での工藤 海斗は自室にいた
「はぁ、またクリア…つまんね」
社会でいうゲーマー
若干中学2年生の海斗はゲームというゲームすべてが得意であった
特に凄いのが、剣を使うゲームにおいての…剣技である
「海斗〜!瞬くんよー」
母の声に部屋を出る
部屋を出て外に出ようとする度に毎回思う
ゲームの世界に行けたらいいのに…
その時には叶いもしないような夢を抱きつつ靴を履く
「よっ、海斗!」
「なんだよ…」
目の前のは高木 瞬、小学校からの友達、そして無類の…
「またあのゲームやりにいこうぜ!!」
「あぁ、あれか…」
ゲーマーである
自分で言うのもなんだが、運動ができないわけではない、ゲームが好きなだけだ
不登校でもない、学校にはしっかりいっている
「さぁ、勝負開始!」
俺たちがいるのはゲームセンターに設置された2つの丸い筒のような物、人が1人丁度入れるくらいだ
そして俺も瞬も迷わずその中に
少しすると俺たちは転送された…そう、擬似世界に
これは『バーチャル・バトラーズ』、DHOより先に擬似世界に行くことの出来た物だ
といっても、丸く囲われた小さな部屋だが
周りには草原ではなく、データを思わせるような感じしかない、ここでやるのは…
「俺の武器はこの前手に入れた『クリムゾン』だ、お前は?」
「鉄剣でいいよ…」
そう、剣と剣の真剣勝負である
瞬が真っ赤に染まった剣を握る
海斗は名前の通り鉄の剣だ
「いつもいつも舐めやがって……START!」
声と共に瞬が接近する
紅い剣が炎を灯して海斗に…
「短調すぎ…」
鉄剣をクリムゾンの側面に沿わせて受け流す
「さすがにそれの対策はしてるぞ!」
瞬がそのまま回転して再度攻撃する
「ふっ、何回もやられてんだ、当たり前だろ」
飛び上がってその攻撃をかわす
「そこだ!!」
背中を向けた海斗にすかさず攻撃する
「甘いよ」
ガキンッ
背中に直撃するはずだったクリムゾンを鉄剣で防ぐ
そのまま地面に着地してクリムゾンを吹き飛ばす
「はい、おしまい」
鉄剣を顔の前に突き出し海斗が勝利した
「くっそー!今日こそはいけると思ったのに!」
帰ってきた瞬が悔しがる
「ははっ、まぁ、上手くなってきたぜ」
海斗がそれを苦笑してるとそこに白衣の男が歩み寄る
「君、これうまいの?」
その男は笑顔でそう海斗に尋ねた
「ん〜まぁ、それなりには」
その返事に満足したのか男は笑顔のまま続ける
「そうかそうか、じゃあ、僕とやらないかい?」
「いいですけど、俺強いですよ」
そして、男と海斗は筒の中に入っていった
ちなみに、外から中の映像は見えるので瞬はそこから見ていた
「僕は『エクスカリバー』を使おう、君は?」
「……約束された勝利の剣か…ゲーム内最強の剣じゃねーかよ」
男の出した剣に目がおのずと真剣味をだす
「俺は『断魔の剣』でいく」
海斗が手に持ったのは輝きを放つ白い剣
「ふふふ、では始めよう」
「「START!!」」
海斗がすごいスピードで近づく
「早いな、しかし!」
エクスカリバーを人振りすると海斗が剣で衝撃を吸収しながらも吹き飛ばされる
「ほぅ、攻撃を剣で受け流したか、すごいね」
「っち、受け流してこれか…しかもあの移動速度に一太刀で合わせてきやがった」
海斗の目がより一層鋭くなる
(ほぅ…まだ本気じゃなかったか)
男も再び剣を構える
風が吹いた
いや、この時の擬似世界にそんな設定は無いのだが、男は確かに感じた
風が吹き、自分の背後には海斗が既に剣を降り始めていたことを
「おらっ!」
白い剣は男に直撃するかと思われた
「惜しいな…」
男がエクスカリバーを海斗に投げつける
「んなっ!」
海斗はその剣の威力に吹き飛ばされる
しかし、エクスカリバーと自分の間に剣を入れたためダメージは少ない
「これも直撃しないか、いやーすごいね」
「どうだ……武器の強さが全てじゃない」
「確かにね…」
男は静かに構えた
「あ、あれは……」
男が放っていたのは…本物の殺気だった
「まだだあああ!!」
放たれるエクスカリバーを気合と共に受け止める
「剣だけが全てじゃないんだぜ」
男の蹴りが不注意だった海斗の体制を崩す
「しまっ……」
男の剣は海斗を外すことはなかった
「ふぅ、君、名前は?」
無言の海斗に男が問う
「まず…自分からだろ…」
「ははっ、そうだね、僕の名前は楠田 宗之だ」
「工藤……海斗」
この戦いが海斗をDHOの世界にいざなったのである