楽園の最後
ーーー楽園 極東基地ーーー
「ど……どういうつもりだっ!? 何故、こんな事をするっ!大佐、我々を裏切るつもりかっ!?」
「……裏切る? これは異なことをおっしゃる。裏切ったのは貴方達の方ではありませんか。そもそもエデンは【ゼロと戦う為の施設】……欲深な者達の緊急避難先ではない」
「わ……我々がいればこその日本だっ!国家だっ!た……戦えるともっ!ゼロなど物の数では…………」
「ほう……金勘定が上手い政治家と銃の握り方も忘れたような軍の将校ばかりでゼロと戦うと……? あまり笑わせないで頂きたい」
「お前達の目的は何だっ!金かっ!? 金ならいくらでも出すっ!た……頼むから殺さないでくれっ!」
「我々の目的が金だとおっしゃるのか……? フフ……何か大きな勘違いをされてますな。我々はゼロと戦う為に楽園に来たのです。ライオットカンパニーは【世界の秩序】を保つのが社命ですから」
「な……ならば、私達を殺す必要性がないではないかっ!?」
「1つ……教えてあげましょう。莫大な予算を注ぎ込み、世界中の海に楽園と言う人工島を作った我々(ライオットカンパニー)が、緊急時の際の人選を各国にお任せしたのは何故だか分かりますか?」
「し……知らんっ!知るわけがないだろうがっ!」
「貴方達のような「ゼロと戦う気がない人間達」を処分する為に「わざと」そうしたのですよ。すでに世界中の楽園にはライオットカンパニーの部隊が向かっています。いわば楽園は【使えない人間】の処分場……と言ったところですな」
「そんな事……っ!さ……最初から言ってくれれば、それなりの人選を…………」
「……世界は全人類の1%に満たない数の人間達が動かしています。その中で本当に世界の為に動いている人間は、ごく僅かしかいません。その他は、己の保身や自身の欲望の為だけに動いている者ばかり……もっとも、これに関しては1%の人間だけとは限りませんが……」
「わ……私は保身など……そんなつもりはっ!」
「保身は考えていない、と……? それでは、首相……お答え下さい。何故、楽園には十分な施設があるにもかかわらず、ゼロに対抗する為の研究者や科学者を1人も連れてきていないのですか?」
「そ……それは……じ……時間が……なくて」
「時間がなかった……? ならば貴方は日本に残って指揮をとり、十分な時間を作るべきではなかったのかね? それもせずに国に背を向けて逃げ出したなど……もはや許しがたい!」
「たたたた……助けてぇ~……ぷブァっ!!!」
………………………………
「……片付いたな。死体は念のため、焼却して海に捨てておけ。その他の楽園から報告は入っているか?」
「ん~♪ 北米基地と中東基地はヤル気だったみたいヨン。その他はダメダメって奴カナ、ココと大差ないみたい。まったく、だらしない人達ヨネ~」
「大方、予想通りか……日本にいる相沢からは報告はあったか?」
「御姉様から連絡を受けたワ。ゼロに対抗する【強力な武器】が手に入ったらしいのヨ。ナオキちゃんはソレの護衛をしてるみたいネ」
「そうか……ならば、念のために私が直接受け取りに行くとするか。相沢ならば心配は無いとは思うが……」
「エッ!? これから日本に行くの? つーことは私がボスの代わりにエデン部隊の指揮をとるワケ?」
「カラーズの【青い鮫】と呼ばれるオマエ以外に誰が部隊の指揮をとると言うのだ?」
「そうネ~♪ わかったワ! ボスっ!」
「ボスではない……私の名前は黒豹だ」
会話のみのパートになって読みづらくなってしまったかもしれません。
物語も中盤から終盤に入ってきました。
ゆっくり及び不定期更新で申し訳ありません




