表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/113

死の予感


あの家からの惨劇から3日目


俺は耐え難い頭痛と吐き気、全身を襲う怠惰感に蝕まれていた。


何かに掴まっていなければ、まともに歩く事は出来ず、なんとか歩いたとしても胃液が逆流して四つん這いになり、ヘドを吐いてしまう。


運よく感染者がいない家に侵入した俺は、床に仰向けになって倒れ込み、朦朧とした意識で天井を見ていた。



「…奴等の仲間入りは…時間の問題ってやつか」



そう…俺は「感染」してしまったのだ。



あの家を出た直後に…



それは祐也や美佳を失った事による虚無感からなのか…



どこか上の空だった俺は「覚悟」が出来ていないまま、食料を求めて家へと侵入した。



集中力を欠いていた俺は、普段なら聞こえていたはずの感染者の足音に気付かず、背後から襲われてしまったのだ。



その結果、感染者を払いのけようとした時に腕を噛まれてしまった。

その感染者を始末し、急いで救急キットで止血等の措置をとったが、その時ウィルスはすでに全身にまわっていたようだ。


その日の夜に激しい頭痛と嘔吐を繰り返し、俺はウィルスに感染している事を実感した。


「昔やったゲームの中では…徐々にゾンビになっていく感染者の日記なんてものがあったな…俺もそうなっちまうのか」


ゲームでは徐々に常軌を逸していく姿を記した日記の内容だったが、俺は意識こそ混濁しているものの「人を食いたい」と言う欲求はない。



…ただ自分の肉体が破壊されていく感覚は感じていた。



薄れゆく意識の中、家の扉が開く音がした。



体を起こそうとしたが、もはや俺にはそんな気力も失せていた。



「…クソ…好きにしやが…れ」



精一杯の悪態をついて俺は意識を失った。















最終回ではありません


つなぎの話しになるので、やたら短いですが

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ