狂気の世界
メインの小説があるために不定期更新となります。
恐らく人気の無いジャンルではありますが、気に入って頂いたら嬉しいです。
…俺は血塗られたバットを見つめながら、薄暗い部屋の中でしゃがみこんでいた。
未知の病原菌…人が人でなくなる。
ゲームの中でしか有り得ない出来事が、実際に起こってしまった。
ご丁寧に設定まで同じ…感染した者は非感染者を襲い「直接的な方法」で感染を広げていく。
テレビのニュースで流れた「緊急放送」から、どれくらいたったのだろう…
ライフラインは無くなり、電気や水道は「あの日」から止まってしまっている。
コンビニから手にいれた2リットルのペットボトルの水を飲んでいると、家の外から「呻き声」が聞こえてきた。
「…チッ!…取り囲みやがったか」
奴等は非感染者を何処までも追ってくる。
…どのような方法で? 一体何のために?
今の俺には、そんな事を考えている余裕はない。
血塗られたバットを握り締め、窓から外の様子を伺う。
すでに「感染者」は俺の逃げこんた家の周りを取り囲んでいた。
殺意が俺を塗り潰していく…躊躇いは無い。
殺らなければ…俺が殺られる。
この狂気の世界の1日が始まろうとしていた。