春休み。それは憂鬱な時間
青年は気怠げに電車を降りた。
ポケットから携帯を取り出し、今の時刻を確認する。
8時2分。
青年が行く予定の病院までまだ1時間近くある。
腕にかけた鞄を持ち直し、コンビニへと向かった。
コンビニ内。
とりあえず、漫画コーナーへと行き、新刊がないかチェックしてみる。
興味が湧いた本があったので、立ち読みをしてみる。
少し経って、時刻を確認する。
8時20分。
あまり長居をすると店員さんにも迷惑がかかるので、立ち読みを止めた。
立ち読みだけだと申し訳ない気がしたので、林檎ジュースと肉まんを買おうとレジへ向かった。
「無いのかよ」
カウンター横の子棚を見て、小声を漏らす。
朝の早い時間帯だからか、売り切れたのかは解らないが、一つも無い。
林檎ジュースだけでは気まずいので、適当に食品を見繕う事にした。
眼鏡越しのあまり生気の無い眼がゆっくり動く。
そしてある一点で視線を止めた。
カロリーメイト(チョコレート味)。
特に欲しいわけでもないが、手に取ってレジへと再び向かった。
食欲が無いので食べるのは昼頃になるだろうなと、店を出ながら青年は思った。
そして、時刻を確認する。
8時32分。まだ30分もある。
午後からの補習はどうしようかと、駅の駐輪場に置いておいた自転車に跨りながら青年は考える。
『まぁ・・・まだ30分もある。ゆっくり考えよう』
そう思い直し、億劫にペダルを漕ぎ始めた。




