プロローグ:異星少女
ある女子中学生達の話。
「ねぇねぇ、あんたは悟君のことどう思う?」
「あの、サッカー部のキャプテン?」
「そうそう、かっこいいよね」
「あの人はだめ」
「え?なんで?」
「だって、私の事なんにも分かってないもん」
「あんたね~、なんであたしがこんな話してると思う?」
「知らない」
「ある噂で、悟君はあんたの事が好きみたいなんだよ」
「ふ~ん、で?」
「で?…じゃないわよ、悟君は人気者なんだよ。ここはあたってみるべきでしょっ」
「私は興味がない。そんなことより、知的生命の話が途中だよ」
「だからぁ~、その話は聞きたくない」
「なんでよぉ~」
「あんたさ~、そういう話となると本当にめんどくさくなるの」
「分かったよ、それじゃあまとめて話すから」
「分かってないでしょ」
「うんとね、今のところ知性をもつ生命体は地球上では人間しかいないの。それで、地球外生命体の私達人間と同等以上の知識をもつ生命体を知的生命体って言う事が多いの。分かる?」
「あ~わかるわかる」
「それでね、地球外生命体で人間以上の知識を持ってると言われているのが宇宙人とか異星人って言われるの。宇宙人は見た目では人間に似ているけど、頭が大きかったり、手足の数が違ったりするんだけど、異星人は他の星にすんでいる人なんだよ。やっぱり私が思うには地球外生命体とコミュニケーションをとるならまずは異星人からだと思うんだ」
「あーすごいすごい、こんな無駄な知識はどっから手にいれてるの?」
「えっ?皆知ってることじゃないの?」
「はぁ~、人間みんな、あんたと同じ頭の構造じゃないの。なんであんたが悟君に好かれて、頭がいいのか知りたいわよ」
「それじゃあ、今度は脳の話を―――」
「結構です」
ここで、放課後の教室での話が終わった。鞄を机から持ち上げ肩にかけ、廊下に出ると、二人はまた他愛のない話を始めて学校を後にした。
この時、受験当日まで残り三日。
二人の受験先は違うものの、どちらの受ける高校も有名な進学校である。
そして、一人の受ける高校は浅華高校である。その女は内申書は申し分なく、テストの点数も三回に一回は全教科満点をたたきだす天才だ。
結果はもちろん合格。
こうして、女の高校生活が始まった。