文章が雑?それは仕様です
どこに向かっているのか解らなくなった
だから、立ち止まってユックリ考えてみたんだ…
『マヌカン』それは『マネキン』と同義
『マネキン』それは『等身大フィギア』と同義
『等身大フィギア』それは『萌え!可愛い!』と同義
『萌え!可愛い!』それは『正義!そして真理!』と同義
少なくとも、俺はそう習った。
ネットの向うの紳士にそう習った。
「依頼内容を聞かせて貰おうか?」
アキレスの言葉を皮切りに
ルッチが捲くし立てるように話し出した。
「んっとね、ルディアお姉ちゃんが誕生日でね
プレゼントはおっきな魔光結晶でね
『クインゴルドバ』が邪魔っ子でね
皆困ってるの。」
簡潔かつ要領を得ない、子供らしい素晴らしい返答でした。
「よし、任せておけ、『クイーンゴルドバ』を懲らしめてくる。」
依頼内容も理解せず、正義!と真理!に従って洞窟の奥へと颯爽と去って行く
安心の平常運転のアキレスだった…
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「人は迷いながら成長する生き物です。ってラジオCMでも言ってた。
だから、きっと俺は成長している。」
真っ暗な洞窟をトボトボ歩きながら、自分を鼓舞する。
ってか、真っ暗なのに見える不思議。
最初は見えなかったのにね?
何かちっこい生き物踏み潰した後ぐらいから見えるようになったから
きっと、そんな効果のある不思議生き物だったんだろう。
マヌカン達も暗い所に行く時に重宝してる事だろう。
ってか、『クイーンゴルドバ』ってどんなだろう?
ミミズの女王って事は、サイズ違いとか色違いとかだろうね。
きっと『ゴルドバ』と同じで柔らかいだろうから
グレートなアックスでズバッとやって、ダッと逃げれば汚れずに倒せるだろう。
クイーンが居るって事はキングもいるのか?
むしろ、オスとメスが居るのか?ミミズってそこんとこどうなのよ?
それにしても、居ないねぇ…
…お?向うに薄っすらとした明かりが見える!
迷子卒業だぜ!また一つ成長したな俺!ひゃっほーい!!!
明かりに誘われ駆け出すアキレスだった…
いい加減、学べば良いのに。
こんな時は決まって碌な事が無いんだから…
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一方その頃、マヌカンの街では慌しく戦の準備がされていた。
「我らの新しき友が、我らの宿敵『クインゴルドバ』を討ちに行った!
強大にして邪悪、尽きぬ生命力を持つ化物相手に無事で居れるわけも無い!
友人にして恩人である偉大な冒険者を救おうと思う者は我に続け!」
戦闘に特化した魔導生命体である『マヌカン』達ですら
数百年の長きに渡り、守り逃げる事しか適わなかった化物。
突然強化変異種『クインゴルドバ』
四つある頭はそれぞれが、熊でも丸呑み出来る程の大きさを誇り
ソレを束ねる胴の太さは正に圧巻
その巨体を支える食欲は凄まじく
土も岩もマヌカンも口に入るモノなら何でも喰らう悪食の極み
そして、暴食から生まれる生命力は尽きる事が無いとでも言うかの如く
首を失っても、僅か数分で再生すると言う悪夢の様な存在。
正に『化物』と呼ぶに相応しい、正真正銘の『化物』である。
しかし、それに立ち向かおうと言うマヌカン達に絶望の色は無かった。
なぜなら、彼らの目的は『化物』を倒す事では無く
友を救い出す事だったからだ。
穴倉を捨て、大空の元へ出ると決めた彼等にとって甚大な被害を被ってまで
『化物』に立ち向かう必要は既に無いのだ。
無事に『化物』から友を救い出し、地上で『マヌカン』の人権を得る。
その希望を胸に皆『化物』の元を目指し進んで行く。
進むにつれ遠くから地響きを感じ始めたマヌカン達は足を速め
数百メートル程進むと遠くに『化物』の尾が見え始めた。
「総員、魔導砲構え!」
各々が腕や胸や足に備わった魔導砲を構え魔導力を充填し
「撃て!!!」
『化物』の尾を目掛け一斉に放たれる閃光
目も眩む程の光の後に見えたのは
傷一つ無い、身動ぎ一つしない『化物』の尾
未だ嘗て無い不可思議な状況に皆、困惑する事しか出来なかった。
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少し時間を遡り
明かりの元に辿り着いたアキレスは
「うほっ!いい宝石!」
淡い光を放つ大小様々な鉱石が無造作に転がる空間で小躍りしていた。
「取り合えず、大きな宝石から順番にポッケにないないしよう、そうしよう。」
綺麗な石=宝石、と言う安易な思考で
鉱石を大きなモノからポケットに押し込んでいくが
ポケットにそこまでの収納力があるわけも無く
一箇所に一個、合計4個で収納限界を迎える。
「こうなったら、抱えれるだけ抱える!」
鉱石を一箇所に集めようと右手で一つ拾い上げたその時
懐かしくもあり思い出したくも無い振動を感じ慌て
その場から前方に飛び込むと、背後から
ズガンッ!!!
と、凄まじい音と風圧と石飛礫をくらい、慌てて振り向くと
やぁ!久しぶり、元気してた?その節は大変お世話になりました!
とでも言うかの如くユラユラ揺れる、四匹の超巨大ミミズ
「お邪魔しました!さようなら!!!」
叫ぶや否や
ミミズズ(複数的意味で)の脇を全力疾走で駆け抜け、そのまま逃走。
「無理無理!サイズアップは想定内でも、複数は想定外だって!
ベチョベチョヌメヌメの刑はもう嫌だぁぁぁ!!!」
間違い無く徐々に近付いてくる地響きを背に逃走する事十数分。
撒く事は不可能と悟り振り返るとそこには
四本の頭を生やした、一匹のミミズ
「って、一匹かよ!!!」
放たれる突っ込みと、右手に握り込んでいた鉱石
消し飛ぶ四本の頭と、胴体の中ほどでエクスプロージョンするマテリアル
爆ぜた胴体から覗くのは、脈動する黒い塊と
それに癒着した、背に人の顔の様なものがある蟲…
「って、キモいわボケっ!!!」
烈火の如く放たれる突っ込み?ついでに口から烈火も放たれる
無事、蟲は胴の中程と共に消し炭になりました。
「急展開過ぎて状況に付いて行けん…」
呆然と立ち尽くして居ると、ミミズの残骸の後方から放たれる閃光
「目が!目がぁぁぁ!!!」
目を押さえのた打ち回るアキレスは、地味に閃光耐性を得たのだった。
そうしたら
どこに立っていたかすら解らなくなったんだ…