最終話
勢いで再び投稿した、後悔はしていない、と思う…
ゴゴゴゴゴゴ…!!!
大地に響く振動 徐々に、しかし確実に近づく気配
俺は走りながら回避の準備を整えた
ズドンッ!
足元に気配を察知し、横に跳ねて緊急回避すると同時に
先ほど迄、俺の居た場所には醜悪な化物が生えていた
人の身の丈を遥かに超える、見るもおぞましい巨大過ぎるミミズ
ジャイアントワームと命名しよう
何この気持ちの悪い生き物…
ミミズ自体は別に好きでも嫌いでも無い俺だが、コレは無理
不自然にデカい時点でアウトなのに、何あの全身を覆う粘液
もう全てが無理、生理的に無理
そんな俺の思考は考慮して貰えず、ウネウネとうねったかと思うと
再びこちらに襲い掛かって来るジャイアントワーム(仮)
その攻撃をギリッギリで回避し、再び逃走開始
助けてママン!と心の中で連呼しながら只管走り続ける
正直もうダメかもしんない…
人生の結末が巨大ミミズに喰われて終わりとか不幸過ぎる
などと思っていると、前方に人影発見!
これは是非とも助けて頂かなければ!
それが無理なら、ジャイアントワーム(仮)をあの人影になすり付けて身の安全を確保しなければ!
全力のダッシュで人影に近づき「へるぷみー!」と叫ぶ俺だった。
~SIDE OUT~
~SIDE 人影(仮称)~
おかしい、何時もなら既に魔物の四・五匹には遭遇している筈が
今日に限って一度も遭遇していない
それどころか、魔物の気配すら感じない
そして、とても嫌な予感がする
警戒を強め、周りを見渡していると突如背後から怒鳴り声と思わしき声が聞こえ
あわてて振り向くと、こちらに駆け寄ってくる一人の男が見えた
年の頃は二十代半ばぐらいか、この辺りでは珍しい黒目黒髪
身長は170前後、馴染みの無い服装をした人物だ
その人物が発した言葉は私の知らない地方の言葉の様で理解が出来ない
が、その表情から怒りと焦りは伺える
何をそんなに怒っているのか解らないといった私の表情に
男は言葉が通じていないと悟ったのか、身振り手振りで
ここは危険だ、早く逃げろと告げてきた
状況が掴めない私は男の後方に目をやると、大地を掻き分け迫り来る魔物が見えた
「ゴルドバっ!?」
有り得ない、ゴルドバとは未だに人が足を踏み込めないでいる魔境の近辺に生息する
騎士団の一個中隊で討伐にあたる魔物だ
それが、こんな人里の近くに現れるなど滅多にある事では無い
そして、今の状況は最悪と言っていいだろう
たかが二人では討伐する事も逃走する事も叶わない
万が一逃げ果せても、近くの村や町に多大な被害を及ぼす事になる
私も栄誉ある騎士団の一員、無謀な戦いを挑む覚悟を決め腰に挿した剣を抜き放ち
通じないとは解っているが「貴方は逃げるんだ」と男に告げた。
すると男は優しくにこやかな表情で何かを告げ、私の肩を優しく押し逃げるように促してきた
そして、私との距離をとるため自分に魔物の注意を引き付け走り出した
襲い来るゴルドバを見事に紙一重でかわし、間合いを計る男の姿は
まるで舞い踊るように美しく洗練されていた
しかし、男は丸腰であるため防戦一方になってしまっていた
このままでは何時かやられてしまう、そう思った私は騎士の誇りであるはずの剣を躊躇い無く投げ渡していた
男は振り向き様に危なげ無く剣をキャッチし、何事か叫ぶと(おそらく感謝の言葉であろう)
またもゴルドバの攻撃を見事なまでの紙一重で回避し、すれ違い様に一閃
ただの一太刀で胴体を一刀両断にしてしまった
それを見た私は
「美しい…」
と呟きただ呆然と立ち尽くした…
~SIDE OUT~
~SIDE 俺(名前はまだ無い)~
人影に近づくとその人物はなんと全身鎧のコスプレだった
色々と認めたく無い現実を突きつけられてる気がしなくも無いがスルー
そして、どうやら言葉が通じて無いっぽい
こっちは滅茶苦茶焦ってるんですけどっ!
何とか状況を伝えようと身振り手振りで
「ジャイアントワーム(仮)に襲われてる真っ最中なんです!
後ろからすっごい勢いで追いかけて来てるんで、何とかしてください!」
と、説明すると何とか通じたのか俺の後ろに視線をやりジャイアントワーム(仮)を見つけ
「ゴルドバっ!!」
と、気合十分、殺る気十分に雄叫びをあげた
あ、声からして女の人だったのね 全身鎧のコスプレ(だと信じ込みたい)でわからんかったわ
ついでにジャイアントワーム(仮)では無く、多分ゴルドバって名前なのねあのミミズ
そんな事を考えているとコスプレさんが腰の剣(やっぱり本物?)を威勢よく抜いた
カッコイイ!頼もしい!後は私に任せろ!って事ですね?
俺は最高の笑顔で「後は宜しく!」と肩を叩き身の安全を最優先して逃走を再開した
までは良かった、人として褒められた行動では無いにしろ我が身が一番かわいいし…
しかし!ゴルドバがこっちに向かって来てるじゃありませんか!?
やばい、これはやばい状況ですよ
何とかコスプレさんになすり付けれないかと、微妙な距離でギリッギリの回避を繰り返していると
ブォンッ!
と背後から剣が飛んできた!危なっ!!!
とっさに身を守る為に突き出した右手に剣がすっぽり収まる
ゴルドバ目掛けて投げたんだろうけど、完全に俺にヒットする軌道でしたよ…
奇跡的に受け止めれたからよかったけどもさ…
「ノーコンッ!」
咄嗟に非難の言葉を叫んでしまった俺は悪くないと思う、否 俺が悪いわけが無い
なんて思っていると、再び背後からゴルドバが襲い掛かってくる気配
焦って振り向き様に緊急回避したら右手に嫌な感触
ズバンッ!!!
あれぇ?ゴルドバの胴と頭がお別れしちゃってますよ?(どこからが頭かわからんが)
偶然あたった剣で切れるなんて、意外と柔らかいのねゴルドバって
後、粘液やら体液やらで汚れて滅茶苦茶ブルーなんですけど…
こっちをガン見してるコスプレさんが何事か呟いた
きっと「汚い…」とか言われたんだ…
更にブルーな気持ちになった…
そんな見た事も聞いた事もない場所で体験した不思議な一日でした。
好きな作品の連載が止まっていたので、やっちゃぃました!
まぁ、無事次話が掲載されたようで一安心です
連載もので投稿したのは勢いとネタです
読み手も居ないのに連載する勇気は御座いません…
二次元街道を迷走したい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか