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まずは、新しいギルド証を作るとしよう。とはいっても元々俺の存在は隠されていた上、
『クロノス』は闇ギルドなので表のギルドカードどころかそもそも自分のギルドカードすら
持っていなかったからな。
まずは、街中の真ん中に陳列している全ギルドの受付所までいくとしよう。
「おお、綺麗だな。」
朝日に照らされる街並みを見ていると思わず感嘆の声が出る。
『クロノス』の頃は朝日を落ち着いて見る機会なんてほとんどなかったからなおさら美しく感じる。
数分ほど歩くとギルド受付所が見えてきた。かなりの人だな。
ここは国内で最大の受付所なのでその分人も多い。
人混みの中をかき分けて進むと入り口が見えてきた。
「おいおい、聞いたか『クロノス』の話」
「ばか、声がでけぇよ。一応裏なんだからあんま言うなって。」
「そうはいっても衝撃だろ。」
こんなところでも、いやここだからこそか。
もう既に情報が回っているらしい。『クロノス』は大人気だな全く。
おっと、そんなことよりギルド証を作らなきゃな。
「すいませーん。」
「はい。どうされましたか?」
「ギルド証の発行をお願いしたくて。」
「かしこまりました。こちらの紙にご自身の情報の記入をお願いします。」
そう言って手渡された紙を見る。
名前、か。 ''ニア'' でもいいは良いが、どうしようかな。
ふと外を見る。今日は雲一つない青空だ。
そうだな、。 ''アオ'' とでも名乗るか。
年齢は15歳、のままでいいだろう。加護やスキルの申請は個人の自由なのか。
「なぁ、加護とかの申請をしてメリットはあるのか?」
「その人がどんなクエストに向いているかが分かるのでクエストの斡旋がしやすくなり、
ギルドへの貢献度が上がりやすくなります。」
「書かないやつも多いのか?」
「うーん、そうですね。ただ、何かしらは書く人も少なくはないですよ。」
なるほど。自分の事は詳しくばれない程度にギルドに貸しを作るわけか。
じゃあ、スキルだけ<剣術>を書いておこう。
「記入終わりました。」
「はい。では最後に血を一滴たらしてもらえますか?」
契約術か。まぁ見た感じただの契約術だし問題はないな。
「ありがとうございます。これで登録は完了しました。あとはお好きなギルドへお入りください。」
表のギルドは今まで暗殺対象でしかなかったからいざ入るとなると変な気分だな。
一歩外に出るとギルドの募集があちらこちらで行われていた。
「『パンドラ』募集中でーす。特に前衛!」
「うちのギルド入りませんかー?」
「あそことかよさそうじゃない?」
「お願いします!入らせてください!」
なかなか活気づいているようだな。さすがに裏の連中は見当たらないが。
あっと、そういえばヌルにお使いを頼まれてんだった。
『オリンポス』のマスターに会って来いって、今思うと人使いが荒いな。
「すいません。『オリンポス』の受付はどこにあるかご存じですか?」
「えーっと、君が行くのかな?『オリンポス』はトップギルドだから君じゃ入れないと思うけど。」
「なぜですか?そんな取り決めでもあるんですか?」
「おいガキ!てめぇみたいな青二才が口にするには早すぎるんだよ!」
「アントニーさん落ち着いてくださいって、相手は子供ですよ。」
「自分が断られたからって、八つ当たりはよくないですって。」
「うるせぇぞお前ら!いいかガキ、せめてランクが3桁になってから口にしろ!」
なんだこいつは。だが、口ぶりからして場所は知ってるみたいだな。
「んで、おっさん。『オリンポス』はどこにあんだよ。」
「こ、こいつ、!舐めやがって!!ぶっ殺すぞ!〈剛力〉!!」
「う、うわぁ、アントニーさん、こんな場所で暴れないでくださいよ~。」
「お前ら!何をやっている!!」
「アントニーさん、衛兵が来ましたよ。一回帰りますよ~。じゃあね~、僕。」
「あ、おい!やめろお前ら!おいガキ!忘れねぇからなー!!」
はぁ、なんで初っ端からこんなカスと出会わなきゃならんのだ
ちょうど衛兵がいるしこいつに聴いてみるか。
「すいません。『オリンポス』の受付所の場所は分かりますか?」
「『オリンポス』ならあそこの一番大きな建物だよ。気を付けて行くんだよ。」
「はい。ありがとうございます。」
アホみたいにでかいな。もう見た時点で作ったやつとは相容れないと断言できる。
ここでとやかく言ってもしょうがないからいくしかないな。
さてどうなることやら。




