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プロローグ 2



【プロローグ 2】



 天気のいい夕暮れ時……キッチンからニンニクの香りが漂ってくる。今日のメニューはスパイスをたっぷり使ったチキンシャワルマ。

 朝からスパイスに漬け込んでおいた鶏肉を焼いただけのシンプルな料理だ。コリアンダー、クミン、カルダモン……その他、いろいろ。レモンも入れてある。

 本来なら串に刺した肉を回転させながら焼くモンだが、ウチにゃそんな設備ねえし……フライパンで作ったから、チキンシャワルマ"モドキ"だな。

「焼けたか? 良さそうだったらもう火止めてな」

「……」

 ダイニングで皿を準備しながらシュートにそう声をかければ、スン、と鼻を鳴らして火を止める音がした。

「冷蔵庫にヨーグルトソースあるからさ、それ取って」

 フライパンを預かってダイニングに持って行く。焼きたてのチキンはツヤツヤして美味そうだ。ヨーグルトソースをかけて、適当に俺の家庭菜園から持ってきたトマトやらキュウリやらも添えて、完成。とりあえず俺たちの分だけ先に作った。試食も兼ねて、早めの晩メシだな。

「じゃ、食うか」

 昨晩、遠い国の貴族サマから来訪予定の連絡があった。どんなモンを用意しておくべきか分からなくて、色々と悩んだ結果……結局いつも通りって感じだ。

 もしかしたらシュートは苦手な相手かもしれねえから、先に食べておいて、もし家にいたくなかったら散歩でもしとけって話してある。



 そんなワケで並んで食事を終えたあと、シュートの口元を拭ってやって、顔の包帯を巻き直す。軽くキスをしたらスパイスが香るから笑った。

「軽く歯磨きしとけ」

「ん」

 俺も歯磨きしておこう。それにしても、これから客人をもてなすってのにニンニクはマズかったか?まあ、時すでに遅し、だな。

「さて……もうすぐ来るかな」

「ん」

 食後に紅茶を淹れてやって、のんびり話しながら過ごしてると玄関の方からノックの音が聞こえた。



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