プロローグ
◆クロスオーバー作品◆
こちらの物語は、つな(DD)の書いた『BOX "その先"編』の世界に、様々な作品から客人が食事をしに来てくれる
【クロスオーバー作品】
として書かせていただきました。
各作品の作者さま、本当に素敵な機会をいただき、誠にありがとうございます。
ページ下部にリンクボタンを設置しておりますので、ぜひ、各作品も併せてお楽しみいただけますと幸いです。
【BOX】
1990年台 アメリカのような架空の国のスラムで、純粋無垢なトラウマ持ちと迷い込んだ都会のサラリーマンが、どんな風に寄り添い、日々を過ごしていたのかを記録した物語。
▶︎山代 茶太郎(44)
大雑把で面倒見の良い包容力MAX男。
▶︎シュート(39)
音や光に敏感で、生きるのが苦手な茶太郎の恋人。
【プロローグ】
「あ、わり……シュート、それ取ってくれるか」
「ん」
「ありがとな」
デカい鍋をキッチンからダイニングに運んで、シュートが置いてくれた鍋敷の上に置く。
「さて、そろそろ」
昼前の11時……約束の時間まで、もう少し。今日は来客があンだ。
ちょっとズレてるし、この国じゃあんま一般的じゃねえけど、まあ……サンクスギビングパーティーって感じかな。俺の知り合いが何人か来てくれる予定で。
シュートがちゃんと耳栓を着けてるか確認して、目を覆うように巻いてある包帯に口付けた。
「ごめんな、今日は家の中でもずっと巻いとくコトになるけど……疲れたら言えよ」
「……ん」
光を眩しがるシュートは、いつもこんな風に遮光性のあるプレートを包帯で目の上に固定してる。家の中ではそんなモン必要ねえように、普段なら照明を暗めに設定してるんだが、来客となるとそうもいかない。
不安なら寝室にいろよって言ったけど、穏やかな調子で頬を擦り寄せられた。今日は落ち着いてるみたいだ。
「みんな俺の友達だからな」
「ん……」
軽くキスをして、愛してるって囁いた。




