大事なものは、手のひらから
白雪シアノ――
名もなき陪花候補だったはずの少女に、毒が仕込まれた。
事件は“処理”された。
実行者は罰を受け、帳簿上では終わったことになっている。
だが、それで本当に終わったわけではなかった。
彼女を守ろうとした侍従・イーヴだけは知っていた。
毒はまだ終わっていない。
手の中にある命が、また指の隙間からこぼれようとしている。
そして、“仕組み”が動き出す。
天樞を除いた星の座たちが、
名目と格式を整え、“正しい方法”で――
「彼女が欲しい」と名乗りを上げたのだ。
守るために、そっと手を握った。
けれど、大事なものほど、
先に手のひらから奪われていく。
名もなき陪花候補だったはずの少女に、毒が仕込まれた。
事件は“処理”された。
実行者は罰を受け、帳簿上では終わったことになっている。
だが、それで本当に終わったわけではなかった。
彼女を守ろうとした侍従・イーヴだけは知っていた。
毒はまだ終わっていない。
手の中にある命が、また指の隙間からこぼれようとしている。
そして、“仕組み”が動き出す。
天樞を除いた星の座たちが、
名目と格式を整え、“正しい方法”で――
「彼女が欲しい」と名乗りを上げたのだ。
守るために、そっと手を握った。
けれど、大事なものほど、
先に手のひらから奪われていく。
第1話 夜ごと、隣室で
2025/07/07 20:11
第2話 声にならない温度
2025/07/07 20:11
第3話 夢の中の光
2025/07/07 20:11
第4話『緋の司、微笑む』
2025/07/07 20:11
第5話 盃の影
2025/07/07 20:12
第6話 耳にカップの跡
2025/07/07 20:12
第7話 触れられたもの
2025/07/07 20:12
第8話 微熱
2025/07/07 20:12
第9話 兆しと報せ
2025/07/07 20:12
第10話 星の座、裂ける
2025/07/07 20:12