異世界の日常
始めまして 読んで頂きありがとうございます リコリスと申します 何分老齢かつ目が非常に悪いので遅筆です 万が一楽しみにして下さった方に大変申し訳ございませんがご理解のほどを
老体に鞭打って頑張りますので応援していただけたらありがたいです」よろしくお願いいたします
こうして修練所に通うことに成った
始めは皆腫物に触る扱いだ そりゃそうだ この国の王女様が直々に頼むと 言われたのだから
俺だってもしも剣道場に総理大臣が来てこの子を頼むと言われたら 腫物扱いすると思う
しかも国に何かしらの貢献をするかも知れない者だと紹介されたらそうなると思う
先ずは自己紹介だ
「シン タチバナ タルホです よろしくお願いします!シンと呼んでください 日本では剣道やっていました」
ここで騒めきが有った 「剣道とはなんでしょう?」と聞かれてしまった そりゃそうだ 剣道何て言っても通用するはずがない
「日本刀を扱うために修練するための 剣術です」と説明した
日本刀ってなに?って聞かれなかった
聞いて見ると 日本刀は400年前位からこちらに存在するらしい 400年前に来たまれひとが 刀鍛冶の技術と剣術を伝えていたらしい 此方の鍛冶師に技術を伝えて 今では沢山の流派も有るらしい 剣術も流派がいくつか有るらしい
「シン殿は どのような流派なのですか?」と聞かれた
「流派は判りません 敢えて言うなら 日本式剣道流ですかね」とちょっと冗談ぽく答えた 実際流派なんて知らないしな
防具を見せられた 皮製で中に布か何かの餡子の入った頭から首をカバーしているもを被り 胸当てをして手甲もし足も拗ね当ての様なものをした 練習用の皮の鎧みたいな物か?
当然竹刀など無く 木刀だった 此方では木剣て言うらしい
これは防具していても かなり痛いのではないか?
「これって当たったらかなり痛いですよね?」と聞いて見た
「当たると痛いですよ ただ 回復魔法で直ぐに治療しますから大丈夫ですよ それに戦いの時は真剣ですから 痛いなんて言って居られませんですし」とニッコリ答えられた 剣道も遊びとは思わない無いが 目的が違い過ぎてちょっと恐ろしい
早速準備運動のストレッチをして 久しぶりに木刀を持ち素振りしてみた 懐かしい感触が有った かるく汗が出る位素振りしていると 「一つ誰かと手合わせ頂けないか?」と言われた 木刀で試合したこと無いので 少し怖い気もしたし 相手の力量もまるで判らない しかし此処には此処のやり方も有るだろうから 申し出を受けて試合してみることにした
3か月以上竹刀すら握って居なかった為に不安も有ったが最悪回復魔法有るし何とかなるか と腹を括った
試合が始まった 何と言うか 隙が多い 何だろう?舐めて来ているのか? 何処でも打ち込めそうだ 「メーーン」と面を打ち込んだ 見事に面が決まった
相手は座り込み 慌てて回復魔法だろうか?を掛けている
あれか 此方に忖度してわざと負けてくれたのか?
すると「なかなかやりますね それではもう一人もう少し出来る者とお願いします」
続けて試合に成った 今度は大剣の木剣の人だった
どうしよう?こんな変則的な剣の人とやった事無いし・・
悩んでいると 相手が打ち込んで来た 剣で受け流し 小手を打ち込んだ すると剣を落とし 参ったの合図
あれ?案外日本剣道通用するなと思って居たところ
「なかなかやりますね 彼はこの修練所でも5番以内の強さなのですよ」と言われた
そこから 少し打ち解けてくれたらしい 恐らく始めはどんなくそ雑魚が来て どうやって接するか悩んだんだろう 他の人の強さを見て諦めて来なく成れば 良いのに位だったのかも知れない
ある程度出来るので 稽古について来れると思ってくれたんだろう そこから乱取り稽古や 打ち込み稽古などやって いい汗をかいた その日は稽古が終わったのだが 帰り際 声を掛けられた
「この後 一杯やって行くがどうだ?」あの大剣使いの人だった
「ありがとう 余り長い時間は無理だが 少しは付き合わせていただくよ」と答えた
彼の名前はルエダ・リェキアと名乗った
ルエダとは同い年と言うことも有り 馬が合うと言うか 気が合った
稽古の後それからも何度も遊びに行った 久しぶりに楽しい毎日だった
そんなある日 ユリエールから
「アインから苦言が来ているぞ 何でも稽古が休みの日もアインを放って遊びに行っているらしいな」とやんわり怒られてしまうほどに ルエダとあちらこちらに遊びに行った
流石に不味いので アインも連れだって遊びに行く計画を立てた
ルエダも「ちょっと良い感じの子がいるから その子も誘ってみようかな」と言う
「相手は誰なの?俺の知っている子?」と聞くと なんと同じ道場の女の子と言う
そうなのだ 修練所は男女比はほぼ半々なのだ こちらはある意味本当に男女平等なのだ 男が力仕事っていう事も無いし どちらかと言うと女尊男卑ぽい そして殆どの女性も逞しい
前に「こっちの女性って逞しいよな」とポツリと漏らすとルエダが「そんなの当たり前だろ 女性が世の中のほとんどを決めているんだぞ この国はまだ男性の権利有る方だが 他所行ったら もっと酷いぞ 第一国を治めて居るのだって 実質女王様だしな 一応男女平等を謳っているから 王様もいらっしゃるがそれは建前だしな 第一家庭内でもそうだろ 何だかんだ言っても家の実権は母親が握って居るもんだ」と言う さらに
「俺だって 郷爵の子と言っても 家は姉が継ぐことに成って居る 普通の貴族の男は 勉強や武術を磨いて優秀さを世に知らしめて 伯爵か公爵に乞われてそこの娘と結婚が一番の出世の道だしな まぁ大概は町娘と結婚して 町民に成って暮らすのが普通だな 俺は剣の腕を磨いて騎士爵を目指しているけどね 騎士爵に成れば 領土を預けて貰えることも有るし 上手く言って手柄立てれば 伯爵も夢じゃないしな ただまぁ戦争でも無きゃ手柄もくそも無いけどね 戦争なんて無い方が良いに決まって居るけどな」
色々大変だな 思わず ルエダの肩を叩いてしまった
「よせよ 同情は要らないぜ」と言って片目を瞑った
「俺はまだ幸せな方だよ こうやって 修練所に行かせてもらい 学校にも行かせて貰っている 親が俺の生きて行く道を色々用意してくれているからな 普通の町民は学校すら行けない者が殆どだ この国はまだ教会に行けば文字を習えるが 他所の国の殆どは そんなに甘く無いしな」
「へぇ他所ってどんな感じなの?」と聞くと
「基本学校に行くのは 貴族と一部の豪商の子息女だけだな 町民の殆どは 教会で習えるのは幸運な方で 殆どは文字を知らないし計算も出来ないが 流石に金を使って行く事に成れれば 多少は計算も出来る様に成り 値段の数字位は判るんだろう 兄がアレナス公国に乞われて郷爵家に行ったが 手紙で良く愚痴を書いて来るよ この国アルメニアは教育が行き届いていて 有名な国だから 他所から特に郷爵から娘の結婚相手にと行くことが多いが アレナスの領民が無知で困ると 兄が学校を作ろうとしたが そんな無駄な金は出せないと反対されたらしいw 兄が言うには教育を受けて来ないと教育の大切さが判らないんだろうと言ってた」と言って肩を竦めた
「この国は 色々な学校有るよね?」
ルエダが「ああ 魔法学校から騎士養成の修練所から 各種専門的な学校も有る それこそ政治や経済に土木や建築等専門に習いたい人には最高の国だよ 帝国随一の教育国家だな」
俺は本当に幸運らしい この国以外に転移して来ていたならこの様な機会に恵まれる事も無かったのだろう そう思うとポンスに感謝しかないな
「で 誰誘って来るつもりなの?」と聞いて見た
「内緒だ 来た時にびっくりさせてやる と言うか来てくれるか判らんしな」と言ってガハハと笑う つられて一緒にガハハと笑い合った
そして次の修練所の休みの日 アインと一緒に 町に出掛けた
護衛と付けるとユリエールは言ったが 断ると
「なら出掛けることは許さない」と言われ 仕方なく侍女さんが付いて来ることに成った 彼女たちは侍女兼護衛も出来るし見た感じ護衛の感じはしないので まぁ良しとしよう
待ち合わせの広場の入り口にに行くと ルエダが居た そして可愛い女の子も一緒だ 良かった お誘いを受けて来てくれたようだ
「こんにちは」と声を掛けた
「おう 始めまして紹介する この子はリアンナ・ラリンス そして俺はルエダ・リュキアだ ルエダと呼んでくれ」とアインに会釈する
「初めましてアイン・タチバナ・タルホです アインと呼んでください よろしくね」と会釈した
「俺はシン・タチバナ・タルホです シンと呼んでください」と会釈
リアンナが「初めましてアインさん リアンナ・ラリンスです リアと呼んでください シンさんは修練所で何度か顔合わせていますね きちんとお話しするのは 初めてですが」と言って会釈された
早速「お二人苗字が同じという事は ご結婚されて居るのですね? 羨ましい シンにはこんなに可愛らしいお嫁さんが居るから修練所で女性に誘われても お出かけに成らなかったのね」と言う
アインが此方に顔を向け そんな事が有ったのか?と言わんばかりの目で見て来る
少し怖い目だったが正面を向いたアインは笑顔だったw
やはり女性は年齢関係なくちょっと怖いものだなと再確認した
「今日は来てくださって ありがとう まずは何方に行きましょうか?」と聞いた
「そうだな まずは 君が欲しがっていた刀を見に行こう」とルエダが言った そうなのだ 護身用に何か持った方が良いとユリエールにも言われたのだ
「それで良いですか?」と皆に聞くと
「大丈夫 そうしましょう」とリアが言ってくれた
皆一緒に歩き 武器屋に向かった
アインが何故か非常に機嫌が良い 最近結構つんけんされていたぽいが今日はそれが無い やはりきちんと一緒に出掛けないといけないんだなと反省した 今まで姉への対応で判っていたつもりだったが ルエダと遊んでいると楽しくて忘れていた
武器屋に着いた 中に入ると不愛想な店員が ジロリと睨むだけでいらっしゃいもない 流石この町で一番と噂の武器屋だなぁと思った
「すいません あまり重くなく 長すぎない刀は有りますか?」と聞いた
「有るが 値段はどの位を予定しているんだ?」と聞かれたので
「ユリエールが払ってくれると言って居たので値段は気にしません」と言うと 店員の顔色がサっと変わって急に笑顔に成って「左様で御座いましたか 王女様のお知り合いでしたか?」とさっきまでとまるで違った対応に成った そりゃそうか こんな若造と子供で来たって 冷やかしの客と思うだろう
すると侍女さんが さらに店主に説明してくれた
暫く待つと いくつかの日本刀を持ってきた
「軽くと言うとやはり古式正統日本刀だな うちの商品の中でも軽い物を選んできたよ 切れ味も保障するし いつでもウチに持ち込んでくれたら 研ぎもするよ」と言って見せてくれた
持ってみると 軽い部類と言ってもかなり重たい
「やっぱり刀って思いなぁ」と言うと ルエダがひょいと持ち「何言ってんだ こんな軽いなら俺なら片手ずつ両手で持っても楽々振り回すぞ」と言う
本当に此方の人は力が強い 環境の違いだろうが 本当に思う
結局 一番軽い奴を買うことにした まずは重さに慣れるためには一本持っていなきゃだしな
そしてアインも護身用の短剣を買った 非常に小さく女性の護身用として作られた物らしい
侍女さんが支払いの事など全てやってくれた
しかし今更だが こんなにも良くしてくれて ユリエール達にはメリット有るんだろうか?今度じっくり聞いて見よう
買い物が終わると 小腹も空いたし喉も乾いたので店に入ろうと成った
「なんか良い所無いのか?」とルエダがリアに聞く
「そうねぇ この先に菓子屋が有ってそこで飲み物も飲めるしそこにしましょう」と先頭に立ち進んでいく 黙って付いて行くと甘い良い香りがして来た
ああ あそこか?と思った時だった
「なんだよ 宮廷騎士かと思ったら騎士見習いのくせに女連れだなんて流石宮廷騎士見習い様は偉いんだな」と3人組に声を掛けられた
全く何処にでも居るんだなとちょっと笑ってしまった
それが更に気に入らなかったらしく
「なに笑ってんだ?」と凄まれた そう俺達の修練所は一応宮廷騎士の養成所でも有るので 宮廷騎士の服を着て外出するのだ 勿論騎士見習いなので騎士章は付けていないので 直ぐに見習いと判るのだ 宮廷騎士見習いは基本貴族が成るので 言い方悪いが縁故採用が多い つまり腕はからっきしでも貴族なら入れる 但し技能が優秀な町民も成れるのだが 我々は貴族の坊ちゃんの縁故組と思われたんだろう
宮廷騎士に成れれば 地方に戻った時に 普通の騎士の指示をする立場に成る 所謂士官学校なのだ 大した腕も無く地方に行けば偉そうにする それが気に入らない騎士も沢山いるのだ なので見習いのうちに 嫌がらせをするという構図なのだ
ルエダが「これはこれは 騎士様ですか?如何されましたか?こちらは休日でこちらのご夫婦に付き添いで買い物に来た所ですが?なにか御用でしょうか?」と言って一礼した
「そういう態度がいけすかねえと言って居るんだ」と行き成りルエダが剣の柄で腹をこずかれた
「行き成り暴力ですか?失礼ですが所属と名前を窺っても宜しいですか?」ともう一度聞いた
「うるせえ そういうのが生意気だと言ってんだ」と行き成り抜刀してきた 恐らく女連れだから剣を抜けば こっちが慄き引くと思ったんだろう
するとルエダが「そちらがそのつもりでしたら 此方もそのようにするしか無いですな」と言って嬉しそうに長剣を背中から抜いた 勿論リアも宮廷騎士見習いだ 剣を抜いて構える
彼方はちょっと脅して揶揄うつもりだったのだろう こうなるとお互い引くに引けない 今にも切り合いが始まるかと思った時に 侍女さんが「お互い剣を仕舞え さもないとユリエール様に報告しなくては成らなくなる 街中で私闘となればお互いに処分されるがよいか?」と止めに入った
「うるせえメイドの癖に仕切ってんじゃねえ メイドは家に帰ってご主人様の機嫌でも取ってろ」と言ったのだが 連れの二人が「コイツ今ユリエール様と言わなかったか?」とこそっと言った 一人は完全にコケにされたと思い頭に血が上って判って居ないようだが二人は冷静の様だ
「おい こいつら王女様の関係者かも知れないぞ 不味いんじゃないか?」と言われて ハッとしたようにカッカしていた奴がやっと気が付いたようだ 向こうの一人が「これは大変失礼した 此方もそのようなつもりは無い ここはお互い引こう」と言った だが頭に血が上った奴は納得出来ないらしくなんだかうだうだ言っている そこで侍女さんが「納得できないなら私はこちらの方々の護衛でも有るので貴方方を 切り捨ててなければ成らないが 宜しいか?」と少し語気を強めて行った
更に一瞬で短剣を出し相手の首に当てた
これで身動き取れなくなった相手は剣を落とすしか無くなった
抵抗すれば直ぐに首が胴と離れかねないのだ
ガシャンと剣を落とし両手を挙げて参ったのポーズだ
「こちらも優秀な我が国の騎士の命を奪うのは本意では無いので剣を収めて欲しい」と侍女さんが言う
格好いい 本当に格好いい アインは如何しているかと思えば元々侍女さんを信頼しているらしく 全く動じた気配も無い
そう言えば離宮に居るときも この侍女さんといつも一緒に居るのはアインだった 話もするんだろう そりゃ信頼もするか しかもブルーノの時も彼女は武器を携え兵士達と 一戦交えたが全く持って圧倒的な強さしか無かった あれに比べたらこいつらは雑魚だw
侍女さんが「このまま遺恨を残したまま此方に恨みだけ持たれても困るのだが そちらが良ければだが後日此方の修練所で木剣の試合なら受けられるが?」と言った
おいおい何勝手に試合のセッティングしているんだよ?戸思ったが彼方が
「それには及ばない お互い名乗ってしまえば因縁が出来てしまうので 此方はこの場を去るのでそれきりにしたい」と一人が言った 確かに一度因縁が付いてしまえばこちらは王家縁の物だ どんな処分が来るかも知れないので お互い無かった事にしようと言うのか 但し此方が納得できない 一歩的に絡まれたのだ ルエダも腹を殴られているし謝罪が欲しいとこだ と思って居るとルエダが
「此方もそれで依存はない それでは今度会った時は初対面という事で宜しく頼む」と言った
おいおい殴られたのは良いのかよと思ったが本人が良いと言うなら俺に言う権利は無いか?
彼方が足早に去って行った
「ルエダ 良いのかよ 腹殴られた事の謝罪は要らないのか?」と聞いた
「いや 言えば謝罪はしただろうが それをすると きっとあの頭に血が上った奴は ずっと恨んでくるだろう 下手したら俺やお前やリアなら騎士だからいいがアイン様に向かっても困るしな 俺のメンツなんてどうでもいいよ」と事も無げに言った コイツは大人だ 同い年とは思えない
侍女さんも「なかなか良い判断です 試合を言ったのも 彼方が受けないと思ったからです あれで受けるような頭の悪い奴ならあの場で切り倒してやろうと思ってました」と恐ろし気な事を言いなさる・・・こんなに綺麗な格好で可愛いのに一番怖い人でしたw
この後は ゆっくりとお茶を飲み お菓子を頂きたっぷり話をした
最後まで読んで頂きありがとうございます まだまだ書くことに不慣れですが精進していきます
よろしくお願いいたします