どこかわかんないけど……お昼寝します
* *
ーーそして、目を覚ました時はーー
……うぅーん⁈ ここ、どこ?……
ーー知らない場所にいたーー
四方を広く囲むゴツゴツとした大きな岩、天井の鍾乳石から滴る水滴、綺麗で透き通った大きな水溜まり………まるで、洞窟の奥深く広いの空間にいるようなところだった。
後ろを振り向くと、ひときわ目立つドーム型の大きな石筍、それに何かを祀るように飾られた綺麗なクリスタル。
おそらく、人が作った“人工物”であることは分かるだろう。
それを見ていると、何故か悲しくて、胸がキュッとなって、苦しかった。 ……ここを離れよう。 ここにいたら、ダメになる……。ボクの直感がそう言っていた。
石筍の反対側を向き、気持ち程度に整備された細い道を歩いて、その場を離れた。
岩を割ったような穴を抜け、しばらく歩くと、そこには、小さな集落があった。 相変わらず、洞窟の中だが、馬小屋みたいなのがあり、干し草が引いてあった。 とりあえず、寝る。
横になると、ちょっと温かい気がして心地良かった。
……お腹が減った……
さすがに、なにも食べないで寝っぱなしはお腹が減る。
何かないかと、この集落を見て回ることにした。
そして…
「なにも、無い」
と言うより、誰もいない。 音も、静かで、ぽたんと言う天井から雫が滴る音くらいしか………
ドガぁぁぁーんっっ
という轟音と地震にも似た揺れが洞窟全体を襲った。 鍾乳石が揺れにより、剥がれ落ちて来る。 鍾乳石は、本来、壊れやすく脆い物だが、小さな物でも当たれば痛いだろうし、大きな物に当たれば潰されてしまうだろう。 ボクは近くにあった、壁に掘って造ったような部屋に入り込んだ。
その部屋は三人くらい入りそうな広さで、目の前の壁にかなりボロい地図が、右側に手作りで作ったようなフードの付いたポンチョがあり、左側にベッドがあった。
そして、迷わずベッドへ向かい、ボクはすぐに横になると
「……寝よ……」
と口にした。
若干声が高くなっていることにびっくりしたが、すぐに眠気が襲って来た。
未だに何かが崩れる音が聞こえてくるが、数秒後にはもう夢の中だった。