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[会話]
『───私が死ねば良かったのにね』
えっ、という言葉が僕の口から零れてしまった。内向的というか、ネガティブというか、そういう類の言葉を言わないような彼女の口から飛び出た音に、僕はただただ驚愕した。
『ねえ、ケイジュもそう思うでしょう?』
驚いていた事もあって少し言葉に詰まってはいたけど、僕はなんとかして“そんな事はない”という旨を彼女に伝えようとしていた。
たった一瞬の間を置いて、僕は彼女から目を逸らした。それでもその一瞬は、僕には耐えられない程に長く感じられた。やはり僕の口から、言葉は出てこなかった。
そう、僕も彼女が死ねばいいと思っていたから。