Part 36-6 Declaration 宣言
DoD-PentagonArlington County, Va. 21:20
午後9:20バージニア州 アーリントン ペンタゴン 国防総省
建物の正面玄関から出てきたクリストファー・ブリガム元陸軍大将はソニー・カーチス上院議員に肩を借り彼のリムジンまで歩いていた。その後をローラ・ステージは黙ってついて来ていた。
「まさか、大統領がわしらを開放してくれるとはな。だがNYの核テロが回避され一安心じゃ」
ブリガム元陸軍大将がそう言うとローラが否定した。
「まだ、終わってないわ」
「どういう事だ、ローラ?」
ソニーが顔を振り向け彼女に尋ねた。
「キンバリー中佐と共にこのテロの大元となった別の男が野放しだからよ」
「だれじゃ、そいつは?」
ブリガム元陸軍大将が彼女に問いただした。
「マクビエル・ラファエル上院議員よ。キンバリー中佐へ巨額の資金提供したの。ソニー、貴方のリムジン、運転席にエアー・バッグは付いているわよね」
駐車場のリムジンまで三人が歩いて来るとソニーの運転手が運転席から下り車を回り込み後席のドアを開いた。
「ローラ! お前、何を考えてる!?」
問うたソニーの声が裏返りかかっていた。
「貴方達を自宅まで送り届けたら、私が貴方のリムジンを買い取るわ、ソニー」
ブリガムとソニーが慌てて振り返ると彼女が宣言した。
「ラファエル邸の正面玄関と貴方のリムジン、どちらが頑丈か試してみるから」