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衝動の天使達 1 ─容赦なく─  作者: 水色奈月
Chapter #32
123/155

Part 32-2 Puzzled 困惑

★Part 32-2 Puzzled 困惑

The Unhted Nations HQ Bld. East Midtown Manhattan, NYC 20:15


午後8:15 ニューヨーク市 マンハッタン ミッドタウン東地区 国連本部ビル



 チーフの指示を聞いている間にレイカはパティに呼び掛けアリスにそのアイ・テンプ・ビルにある核弾頭を確認する為に、そこまで国連ビルから七棟のビル──24枚の合計八百八十六インチ(:約2250㎝)のコンクリートと13本の計26インチ(:約66㎝)のH鋼が邪魔をしているのを確認した。そして核弾頭のコアを確認しようとそのエレベーター室の中をアリスにズームさせ制御キュービクルの二枚の鉄板を素通りし見えた光景に眼を強張らせ意識した事をつぶやいた。



「チーフ、ルナが核爆弾を抱えテロリストと格闘している!」



 伝えた瞬間、絶句したマリア・ガーランドの感情が流れ込みレイカはそれでもコアを撃ち抜けないかと状況を冷静に判断した。



 ルナと格闘しているのはアハメド・バハームで間違いなくキュービクルに背を押し付け彼がルナの首に片腕を掛け締め上げていた。ルナは胸に核弾頭の入ったアリスパックの様なものを抱きかかえ壁に片足を立て男をキュービクルに押し付けていた。



 その向きからどうやっても核弾頭のコアをビームで撃ち抜くにはテロリストの男とルナの左胸を貫通させる必要があった。



 チーフにそれらの事を知らせた直後、彼女から指示された。



────レイカ、そのままアリスにコアを見せてもらいながら照準し続けて! トリガーは私が貴女にダイブして引くから!



「チーフ、ルナの左胸が照準線上にあるのよ! 分かって言ってるのか!?」



 レイカが言いたいのはそれだけでなかった。チーフがGM6 Lynxで狙撃するには彼女がそのエンパイアステート・ビルの壁越しに核弾頭を見る必要があった。だがアリスは狙撃に足りうる緻密なイメージを構築している最中には他の者へ別なイメージを生み出す事が出来ないとレイカは知っていた。



────大丈夫よ。ビームを絞ればルナの心臓を1/4インチ(:約6.35mm)外す事が出来る。それに──私はもう外壁を穿うがち始めているから。



 チーフに言われレイカはどうやって彼女が壁越しに核弾頭を見ているのだと驚いた。



 だが一瞬にしてスナイパーとしての自分に立ち返ると、サーボ・ダンパー・バイポットに支えられたHPBR(:高出力ビームライフル)が微動もしない様にブレスコントロールを始め、その時になり初めてチーフが自分よりも遠い距離──2・5マイルを.50BGMで狙撃している事に気がつき一瞬だけ漆黒の瞳をおよがせた。












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