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衝動の天使達 1 ─容赦なく─  作者: 水色奈月
Chapter #28
109/155

Part 28-5 SAD 中央情報局準軍事工作班

★Part 28-5 SAD 中央情報局準軍事工作班

Midtown Manhattan, NYC 20:00


午後8:00 ニューヨーク市 マンハッタン ミッドタウン



「愚か者がァ!」



 思わず口にした言葉が呼び水となりさらにきつい言い方をしてしまった。



「襲撃に加わった局員へ首を洗って待てと連絡!」



 パメラは報せてきたマクリーンの情報分析官が決してその様な言葉をランシングのサダム・ギラ・アラークを襲撃し損じた職員に伝えない事は分かりきっていた。



 連邦捜査局捜査官と中央情報局職員に多数の犠牲者をだしたのみならず、肝心のテロの画策者に自爆を許してしまうなどとんでもない失態だと痛いほど奥歯を噛み締め頭を切り替えた。



「そのバサム・ハジャールを名乗っていた男が通話した先のプリペイド・セルラーの各通話時の位置を可能な限り拾いだし、ニューヨークでの住所を報せて。それらの場所をNSA長官代理のクレンシーにも連絡を入れなさい」



 彼女は指示しながら、もう他に点を辿たどれる方法はないのかと模索した。もしかしたら、その通話先一群のどれか近辺に核爆弾がある可能性は捨てきれなかった。



 他に妙案も浮かばず通話を切るとパメラは同じ場所を行ったり来たりしながら話していた事に気づき、SAD(:CIA準軍事行動班)が出る用意を終え彼女の指示をじっと待っているのが眼に止まった。その時、警察無線を傍受し続けている男が彼女に興味ある内容を伝えた。



「マム、ブロードウェイを二台の車が銃撃を繰り返しながら南下中。市警が増援要請を掛けてます」



 あんな繁華街で? とパメラは考え、ニューヨークで発砲事件は珍しくもないだろうと彼女は一度は聞き流しかかった。だが、警察が増援要請をするくらいなら半端な銃撃戦でないと思った。今は一つでも関係のある可能性は潰すべきだと即座に考え無線を傍受している男を指差し尋ねた。



「その最新位置をモニターし続けて」



「現在、七十二丁目からコロンブス街へ走り込みました」



 それはどの辺りなのだとニューヨークの地理に詳しいSADの一人にパメラは尋ねた。



「どの辺りなの?」



「セントラルパークの二本西の通りです。スピードにもよるが、こちらから出迎えると十分掛かりません」



「よし! そいつらを確かめに行く。もしもテロリストの一味なら即応で警察の隙をつき拉致する! 必要があればオフィサーへの発砲も許可! 掛かれ!」



 彼女が命じた直後、十五人の男達が出入口へ群がった。



「パメラ、増援要請しているとなるとそいつらと接敵した場合、かなりの警察官が障害となる可能性が」



 ルイスに警告され男達の最後尾についたパメラは本心を洩らした。



「もしも──四人のテロ実行犯の誰かなら警察に渡すのはダメよ。取り調べられても残りの連中が神の名を語り核爆弾に火を入れる事を信じて決して口を割らないわ。時間を無駄にするだけだわ。我々で突き止めないと」



 パメラに言われ最悪警官相手の銃撃戦となるとエージェントは一人も逮捕させるわけにはいかないとルイスは覚悟した。







 時間が押していた。一分一秒でも取り掛かりが遅れ対応が遅れれば警官達は数十人に膨れ上がる。その中で彼女を護らなくてはならないと横に並ぶパメラを意識した。












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