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寝不足? え? あたしのせい?

「ふわぁー」

 ふと、拓斗が大きなあくびをした。

「なんか眠そうね?」

 あたしが何気なく問いかけると、

「誰のせいだよ、誰のっ!」

 なぜかツッコミが返ってきた。

「あたしのせい?」

 思わず目をぱちくり。

 奏がハッとする。

「もしかして、2人で寝不足になるようなことしてたんじゃ!?」

「あ、バレちゃった?」

 しれっと言ってみた。

「「なっ!?」」

 凍り付く奏と拓斗。

「タッくんの、エッチ、スケベ、変態っ!!!」

 いち早く硬直から解けた奏が、もの凄い形相で拓斗に詰め寄る。

「違うってぇっ!」

「なにが違うんだよぉっ!」

「おまえなぁ、要らぬ誤解を招くようなこと言うなよっ!」

 恨めしそうな目であたしを見る拓斗。

 仕方がないので、助けてあげることにする。

 どこかから聞こえてくる「誰のせいだ!」というツッコミは却下の方向で。

「冗談に決まってるでしょ。おおかた、こんな美人が隣に寝ていたから、緊張して眠れなかったのよ」

「違うわっ!」

 せっかくのあたしのフォローを、おもいきり打ち砕く拓斗。

「夜中に何度も変な魔法使って叩き起こしてくれたから、寝不足になったんだよっ!」

「へ?」

 首をかしげるあたし。

「ああいう冗談はホント、頼むから勘弁してくれ。授業中が地獄になるから」

「あたし魔法なんて使ってないわよ?」

「ウソつけっ!」

「嘘じゃないわよ。あたし朝までぐっすりと熟睡してたもの」

「じゃあ、もしかして、アレって寝ぼけてやったってことか!?」

「あたし、何かしたの?」

「いや、いいんだ、もう……」

 なぜか蒼い顔をして口を閉じる拓斗。

 奏も、そんな彼を見て、少なくとも自分が考えているようなことは無かったと悟ったようで、それ以上の追求はしなかった。

 それにしても──

 寝ぼけてなにしたんだ? あたし……。

 ちょっと気にはなったけど、なんか怖いので、あたしもそれ以上追求はやめた。

 そうこうするうちに周りは、同じ制服ばかりになっていた。

 みんな同じ所に入っていくので、どうやらそこが目的地のようだ。

 入り口に、40代そこそこの、筋骨隆々のかなり薄着をした男が立っていた。

「ね? ね? 見るからにアニメにでてくる生徒指導の体育教師って感じでしょう?」

 奏に同意を求められたけど、あたしには何のことかサッパリわからない。

 ただ、彼が教師ということだけはわかった。

 時々、生徒を呼び止めて、何か注意をしているようだ。

 どうやら、アレが最初の関門のようだ。

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