第九話:追っ手、逃亡
第二話の題名を少し変えただけの題名ですいません!!
悪夢から三日後、岩代の国に入り街道を歩いていた二人は途中で木が近くに合ったので休憩しようと木に近づいた。
すると、林の中から軽鎧を着た数人の男達が抜刀して出て来た。
「・・・何者だ」
藍璃を後ろに庇いながら斬紅朗は問うたが、男達は答えず斬り掛かって来た。
「・・・ちっ」
斬紅朗は軽く舌打ちし斬り掛かって来た男の一人を居合いで斬り殺すと藍璃の腕を掴み林の中に逃げ込んだ。
斬紅朗一人なら問題は無かったが藍璃も一緒だったので思うように動けない。
後ろを振り向くと男達が追い掛けて来た。
「藍璃。俺が食い止めるからお前は逃げろ」
追いかけてきた男達を斬り殺しながら言った。
「で、でも!」
藍璃は夢が現実になるのではないかと思った。
「良いから早く行け!」
怒鳴られて藍璃は走しり出した。
藍璃が走ったのを見て男達は後を追おうとしたが斬紅朗が立ち謀だった。
「・・・・・・此処を通りたいなら俺を殺してからにしな」
不敵に笑いながら刀を構えた。
「むぅん!」
上段から斬紅朗は男を唐竹割りに斬り殺した。
斬紅朗の足元には鮮血を流した男達が倒れていた。
「・・・おい。何時まで影から見ている気だ?」
敵を全て斬り殺すと斬紅朗は木の影に隠れていた人影に言った。
「中々お強いですな」
木の影から二十二、三歳の蒼い狩り衣を来た青年が現われた。
「・・・何者だ?」
低い声で青年に尋ねた。
「藤原将雅と申します」
青年は上品な声色で答えた。
「・・・俺に何の用だ?元藍璃の婚約者が」
斬紅朗は皮肉った口調で尋ねる。
「我が許婚の藍璃を連れ去った罪で貴様を殺しに来ました」
口が耳まで一瞬、裂けたのを斬紅朗は見逃さなかった。
「・・・お前、人間じゃないな」
斬紅朗の言葉に将盛は首を傾げた。
「・・・・・・何の事ですか?」
悪魔で呆ける将雅。
「呆けるな。貴様の身体からは快楽の為に殺した人の血の臭いがするぞ」
斬紅朗の言葉に将雅は笑った。
「ふははは!よく見破ったな!」
笑いながら頭から二本の角が生え口は耳の端まで裂け瞳は真っ赤な色になった。
その姿は藍璃が夢で見た酒天童子の姿だった。
王道街道をまっしぐらって感じです。