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恐怖の理由

久しぶりの投稿…。

なんだか申し訳ないです。


リョウは部屋を出て、外の転移装置へ向かっている。

男子寮は攻撃されてないらしく、生徒や民間人もいた。

それには目もくれず外へ向かう。

出る直前、先生に止められたが振り切り、外へ出て行った。



―――――――――――――――――――――――――――




「…よし、治った!」

「じゃ、もういっちょやりますか!」


その人は再び敵の中に戻っていく。

今ケイトたちはある建物の中を拠点にして戦っている。

移動しながら、生存者を救いながら、仲間を増やしながらここまで来た。

こういう時にケイトの能力は役に立つ。


「ケイト!次きたで?」

「またぁ?休みたいなぁ…」


ケイトはネーム持ちだ。

それも治癒魔法を得意とするネームだ。

彼は戦闘には加わらず、生存者の、戦って大きなダメージを負った人の治癒をしている。

クリティウス姉妹を下したのは事実なのだが、もしものことを考えて戦線からは下げたのだ。


「マリク、君も回復魔法手伝ってよ」

「無理言うな。俺には無理やて」

「それなら俺を戦線に参加させてよ。あれくらい、本気をだせば1分で終わるよ」

「お前の本気がどのくらいか分からん以上、それも無理」


クリティウス姉妹を下したといったが実はそれをリアルタイムで見ていた人は審判とネーム持ちのみだ。

他の人は話しか聞いておらず、どんな力を駆使してクリティウス姉妹を倒したのか分からない。

ネーム持ちはみんな話したがらないし、審判だった人は「あまり聞かないほうが…」といって話してはくれなかった。

だから彼ら以外は誰も知らないのだ。

どうやってケイトは勝ったのか。


「それは…ちょっとね」

「ええやないか。教えてくれたって」

「いや、かなり趣味が悪いことしてるからね…」

「あいつらを口説いたりしたのか?」

「それは逆にやばい」


こんな会話を交えながら負傷者を治癒する。

それほど余裕があるのだ。

永遠に回復できて、勝てると分かっていれば勢いもつく。

士気も上がっておりいけるだろう誰もが思っていた。

ところが突然異様なことが起きる。




突然何かが割れる音がした。

耳がつんざくような高い音。

それは


「ええっ!?なに?」

「ガラスが、割れた?」


建物のガラスが突然すべて割れる。

しかし別に爆発が起きたわけでもないし、攻撃を受けた形跡もない。

壊れた窓ガラスから外の景色がよく見えた。

一人、雰囲気が違う人がいる。

見た目は同じく体を黒で覆っているが、確かに何かが違った。


「なんだ、あいつ」

「いやな感じしかせえへんな」


雰囲気が違う人がしゃべる。


「ここに、ネーム持ちはいるか?」


ケイトを探しているのか、または誰でもいいのか分からない。


「いった―――」


突然マリクがケイトの口をふさぐ。


「やめろ。出方を見るで」


相手は幸い気づいていない。

外での戦いは一時中断されていた。


「…いないのか?」


問いかけてくる。

大半の人がケイトがネーム持ちだと分かってはいるが、下手にしゃべろうとはしない。

と、一人の戦闘中だった生徒が動いた。

殴ろうと近づく。

よける時間などないように見えた。

そして敵はよけることはできなかった。


いや、よけなかった。

そして拳をそいつにあてた瞬間、ありえないことが起きた。

ドールの腕が壊れたのだ。


「なっ!?」


相手が何かしたようには見えない。

すると相手は近づいてきた腕にデコピンをした。

何も魔法がかかっていないただのデコピン。

しかし、それを受けた生徒の右腕は見事に吹っ飛んだ。

地面に腕が転がる。


「うわぁぁぁぁぁぁ!」


そこにいた誰もが何が起きたか分からなかった。


「な、なにしたんや…」


誰もが思う疑問だ。

何が起きたか分からない。


「もう一度問う。ここにネーム持ちはいるのか?」


考えている暇はなかった。

ここでケイトが名乗り出なければおそらく全員殺される。


「貴方の名前を聞かせてくれたらいいですよ」

「ケイト!」


ケイトの方を見る黒ずくめ。


「…ケイト・N・フェニーチェ。ようやく名乗り出たわね」

「知っていたのならそういう意地悪やめてくれよ。それより貴方の名前は何ですか?」

「顔を見ればわかるわ」


仮面を取り顔を見せる。


「…お前は」

「一応名乗りましょう。ラブ・フリミレスです。まぁ仮の名ですが」


フリミレス。

少なくとも4年生で知らない人はいない。

親睦会で毎年クロと組み優勝している。


「仮の名?」

「ええ。本当の名前はラブ・L・フリミレス」

「ネーム…持ち!?」


驚きを隠せない。

一つの学年に4人ネーム持ちがいるだけでもすごいことなのだ。

誰も5人目なんて考えもしなかった。


「5人目がいたのかと驚いてますね?」

「当たり前だろ」

「実を言うともう一人いますよ。ネーム持ち」

「まだ、敵が俺たちの学年に!?」

「ええ。名前はクロツェフ・アリアジート」


また身近にいた。

ケイトはこいつは嘘を言っているのでは?と思ってしまう。


「ちなみに彼はOです」

「いまいち信用ならないんだけど…」

「別に構わないわ。どうせあなたはここで―――」


ケイトがいち早く気づき、マリクを奥のほうへ投げ飛ばす。


「―――死ぬんだから!」


ケイトに向かって謎の光る球体が向かってくる。

並のスピードではあったが避けるのが少し遅かった。

左半身に直撃する。

が、しかし


「なんとも…ない?」


何も起きない。

爆発するわけでもなく、色がつくわけでもなく、本当に何も起きない。


「…。マリク!とりあえず民間人を奥のほうへ。うまくやれたら安全な所へ逃がして!」

「お前は!?」

「こいつとやりあう。まだ戦っている人もいるのに見殺しにはできない」

「でもお前は回復専門やないか!」

「大丈夫!本気を出すから」


本気を出すから。

そこだけ静かに言った。

マリクにはそれがどういう意味か分からない。

ただ聞こえずらくなっただけだ。

だが、今は信じるしかなかった。


「…。分かった!絶対死ぬなよ!?」


それだけ言うと非戦闘員をまとめながら移動を始めた。


「ありがとう」

「終わりました?お別れの挨拶」


ラブの方を向く。


「なんでそんなことしなくちゃいけないの?」

「貴方が二度と口をきけなくなるからよ。まぁ、あの人もあの世に逝けば話は別だけど」


ラブ・フリミレス。

ケイトが知っている彼女はおとなしく、とくに目立ったことはしない女子だ。

よくいる茶髪に長い髪の毛。

人気があるわけでもなく、しかし煙たがられているわけでもない普通な人だ。


「一応聞くけどなんでこんなことを?」

「こんなこと?」

「なんでミューズデルを襲っているのかっていうことです」

「簡単よ。私が帝国出身でそこの兵士で上官が襲えと言ったから」


単純な理由だった。


「…そこまで単純だと何も言えないなぁ」

「私を諭すつもりなの?こんなことはよくないって」

「そのつもりでした」

「無意味」

「それは今わかりましたよ。だから力でねじ伏せます」

「普段の貴方からはめったに聞けない言葉ね」

「これでも物分かりはいいほうなんですよ。例えば話し合いなんて意味はないと思ってるし」

「理由を聞こうかしら」

「話し合いって言うのはそれぞれが自分の思惑を言う場です。同じならばすぐ進むけど、少しでも違えば止まる。そして意見が違うって言うのはそれぞれの利益の在り方が違うことを意味する」

「フムフム」

「あとはどちらが妥協するのかが焦点になる。でもだれでも儲かりたいでしょ?」

「だから力でねじ伏せるのがいいと?」

「そういうこと」


フリミレスが笑った。

大笑いした。


「そんなにおかしいですか?」

「いや、間違ってはいないと思う。だがそれは悪役の意見ね」

「否定はできないですね」

「簡単に認めた。貴方って本当に変わってるわね」

「そう?」

「紳士と言うべきか、変人と言うべきか…」

「紳士に一票」

「まぁどうでもいいのだけど。どうせ殺すし!」


フリミレスがケイトに接近する。

ケイトはもともと回復を得意とする。

それにあまり戦闘は好まない。

だからどちらかというと衛生兵に近いのだ。

そんな奴が戦闘を専門とする兵士と戦ったらどうなるか、結果は明白。

フリミレスはケイトの懐に入りパンチを入れてきた。

さっき謎の攻撃を受けた左のほうに。

なんとなく予想はできたので右手の方で攻撃をカバーする。


「ぐっ…!」


激痛が走るが慣れっこだ。

ケイトは炎の盾を作り出す。

それをフリミレスに振り下ろす。

もちろん簡単に避けられた。

10mほど離れると鉄の槍を作り出しケイトに投げる。

一本ではなく無数にあった。

盾を大きくしすべてそれで防ぐ。


「何よその盾、やけに便利ね」

「衛生兵ですから。盾は得意にしておかないと」

「ならこれは?」


水の槍を作り出し、投げつける。

これには対応を変え、水の盾に変更する。

盾に当たると盾と同化し攻撃は止まる。

水ならば。

そこに氷の槍が含まれていた。

それは止められない。

気づいた時には左腕に当たっていた。

そして左腕が吹っ飛び、左の脇腹が少しえぐれる。


「ああぁあああああぁ!ぐ…」

「どう?私の能力」

「これは…いったい?」

「教えてあげるわ。わたしの能力は自分の魔力を当てた対象を脆弱にすること」

「脆弱…」

「そう。だから窓ガラスは脆弱になり空気の振動で壊れ、さっきの生徒の腕はデコピンで吹っ飛び、貴方の脇腹は槍が通り抜ける風圧でえぐれた。だけど…」

「なん…ですか?」

「貴方にはあまり意味ないのかもね。回復できるんでしょ?」


ケイトはえぐれたわき腹と腕の当たりに手をかざす。

すると腕は再生し、わき腹が治った。


「さすがは回復を得意とするネーム持ちね。でも守ってばかりじゃ意味ないわよ?」

「やってみなきゃ分からないですよ」





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





フィリアは急いでいた。

マーシャとは途中で別れた。

彼女は使い魔が集まっている所へ行くと言った。

先ほどマリクが率いる集団に会い、護衛をして安全な場所に連れて行ったあと、ケイトの居場所を聞いた。

ケイトはネーム持ちだ。

それは知っている。

だが、胸騒ぎがした。

付き合っているわけでもない。

ケイトが誰を好きなのか知っているわけでもない。

でも心配だった。

初めてできた好きな人だから。

そこに行ったってむしろ邪魔になるかもしれない。

それでも会いたかった。


「ケイトさん…。死なないで」


彼女はただ急いだ。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「…貴方、本当にあのクリティウス姉妹を倒したの?」

「嘘はついてないよ」

「となると買収でもしたのかしら?とても勝てたようには思えないのだけど」


ケイトとフリミレス。

圧倒的にケイトは押されていた。

とても勝てるようには見えない。

でもケイトは逃げなかった。


「…ここまで差があるなら普通は逃げたいんだけど」

「なら、逃げればいいじゃない。追いかけるけど」

「仲間が戦ってるんだ。ここで引くわけにはいかないですよ」


治癒魔法を行いながらしゃべる。


「英雄にでもなったつもり?」

「そんなんじゃないですよ。仲間はずれになるのが怖いただの臆病者です」


本心だ。

自分が英雄になんてなれるわけない。


「それにこんな呪われた力…。こんなものを持った人は英雄になんてなれませんよ」

「呪われた力?」

「ネームのことです。周りは選ばれた者に与えられる力なんて言ってもてはやしてますけど、僕にはとてもそういう風には思えない」

「悲観的な意見ね」

「もともとひねくれ者なんです。唯一の救いは特化していたのが回復呪文だったことですかね」

「嫌なら…さっさと死になさい!」


ものすごい風が、ケイトを襲う。

本来ならば、ただ風が来るだけで何も起きない。

だがケイトの体は避けきれないかったフリミレスの魔法にあたり脆弱になっている。

ちぎれた腕を再生した場合、その腕の脆弱さはなくなっているがフリミレスは常に攻撃をしてくる。

さらにその魔法に脆弱にする魔法を乗っけるもんだからちょっとした火の粉が当たっただけでそこの部分が脆弱になってしまう。

体のあらゆる部分がえぐれていく。

この瞬間を狙い、フリミレスは突進する。

回復できるとはいえ、痛みに悶えているケイトは盾を作れる集中力は残っていない。

あっという間に目の前に来た。


「ぐ…」

「ごめんなさいね。私今まで戦ってきた相手はすぐに死んじゃったからこんな風に悶えてる間に接近するなんていうことしてこなかったの。だからこれを考えるのに少し時間がかかってしまった」

「謝るくらいなら…その手を、どけて、ください」


手はケイトの心臓の上に置いてある。


「…正直、私は貴方を尊敬するわ。こんなに何度も痛い思いをしたのに、退くことはなかった」


そこらじゅうにケイトの肉片が散らばっている。

何度も回復しては攻撃を受けてを繰り返したのだ。


「それ以上に…恐怖しなかったことに敬意を示すわ」


ケイトがその言葉に反応する。


「恐…怖?」

「貴方、私にかなわないっていうのは気づいていたはずよ。かなわない相手と戦って待っているものは何か?それくらい貴方も知ってるでしょ?」


ケイトは黙って聞いている。


「『死』よ。私が戦ってきた相手は8割がたがすぐ死んだからそんな顔すらできなかった。でも集団で来ると少しは時間がかかるの。最後のほうになるとみんな必死な顔で懇願してきたわ。『殺さないで』って。なのに貴方は懇願しないどころか、そんな顔すら見せなかった。大したもんよ」

「買い、被りすぎ、ですよ。俺だって、死にたく、は、ない」

「今もそう。口では言ってるけど顔はそう言ってない。不思議な奴だったわよ、貴方は」



ケイトの体に穴が開いた。

心臓のあたりに直径10㎝ほどの穴。

ケイトの意識がとぶ。


フリミレスはただ少し胸を押しただけだった。

それだけでケイトの体を貫くには十分だった。

ケイトが力なく地面に落ちて行った。

心臓をえぐられた生物の生死なんて確認する必要はない。



ネーム持ちの戦いを片手間で見ていた生徒と兵士たちに変化が始まる。

自分のリーダーを失った生徒は逃げはじめ、敵は士気をあげた。


生徒たちが逃げ始めると残っている者がどんどん殺されていく。

逃げようとした者も背中を見せるため殺されていく。

戦争は一気に虐殺へと変わった。


「…ここまでね」


ここはあいつらに任せ、移動しよう。

そういえばRの魔力が消えてたな、とふと思う。


そう思い移動を始めたそのとき、予想外のことが起こる。

それは、爆発。

自分の手下の所。

そして――――











――――――フリミレスの右腕に。


「………え?」


小規模な爆発。

自分の体全体を吹き飛ばすには脆弱すぎるが、腕一本ならば問題ないほどの威力。

目の前で自分の腕が血と一緒に踊っていた。


最初に起きたのは疑問。

そのあとに激痛がやってくる。


「うわぁぁぁぁぁあああ!」


あまりの痛さに地面に落ちる。

痛かった。


「(痛い痛い痛い痛いイタイイタイイタイイィィィィィィィィィィィィィィ!?)」


それ以外考えられない。

彼女は帝国でも訓練はしていた。

体を切られ、あばら骨を折られ、足がおかしな方向へ曲がったことだってあった。

だが、その痛みの比ではない。


「ごめんね、やけどもあって痛いよね」


声が聞こえた。

ありえない人の声だ。

殺したはずの。

恐る恐る、声のした方を見る。


「…なんで!?」


ケイトが立っている。

血まみれではあるが、胸の穴はふさがって、首の骨も治っている。

首の調子を確かめているのかグルグルと首を回している。


「…だから本気は出したくなかったんだよ」

「な…に?」

「僕が本気を出すっていうのはこういうこと。僕のネームは回復に特化している。だから生き返った」

「もはや回復の領域ではないじゃない…!」

「…少し昔話をしましょうか」

「は?」

「貴方が思い出させたんですよ。本当に短いですから。僕には想ってる人がいます。3年程前かなぁ?その頃はそんな特別には思っていなかったんですけどね、肝試しをやったんです。その時その人と組んでいったんですけどね、彼女はものすごい怖がりらしくて悲鳴をあげまくったんですよ。そりゃ、もうたくさん」

「…」

「その時僕は全然驚かなかったんですよ。だから訊かれたんです。『どうして驚かないのか』って。あの子には教えたくないので答えませんでしたけど、理由は簡単。僕は不死身だからです」

「なっ…!?そんなバカな!」

「いや、実は死ぬこともできます。ですがおそらく誰もそれはできないので俺は不死身なんです。貴方はさっき言いましたね、『恐怖をしなかったことに敬意を示す』と。恐怖しないのは当然なんです。僕は死なないから」


フリミレスは訳が分からなかった。

自分より強いネーム持ちはたくさんいる。

だが、絶対に死なないネーム?


「嘘だ!」

「いいえ、少なくとも今は不死身です。それに本当の不死身であるネームだって―――」

「黙れ!私がお前を殺してやるよ」


左手をかざし何か唱えようとするが


「分からない人ですね」


左腕が爆発した。

今度は理解が早かった。


「あああがぁぁぁぁぁあああ!」

「僕はクリティウス姉妹に勝ってるんです。ならどうやって勝ったのか。答えはこれです」


そこらへんに落ちている肉塊を持ち上げる。


「僕は攻撃魔法が苦手です。すべて、ですから苦手でも大きな威力が出せる呪文を頑張った。それは――――」


肉塊を宙に投げる。

するとそれが爆発した。


「――――自爆魔法です」


フリミレスは黙ったままで、ケイトからは聞いているのかわからない。


「クリティウス姉妹にはこれを駆使して勝ちました。なぞは解けましたか?近づいて僕の体をえぐった時点で勝ち負けは決まってたんですよ」


体の調子が戻ったのか腕を回して頷く。

敵の腕を2本捥いだ以上、さほど注意する必要はない。

余裕から堂々と近づいていく。


「諦めてください、今ならまだ…?」


フリミレスは気絶していた。

あまりの痛みに耐えきれなかったのだろう。

ケイトの緊張の糸が一気に切れその場に崩れる。

フリミレスが死なないよう、腕は生やさないが出血を止める。


「はぁぁぁぁぁ~~」


自分の戦いは終わった。

思いっきり息を吹き出し、寝っ転がる。


「(この場面にあの子が来てくれたら最高なんだけどねぇ…)」


そんなことを思っていると声がした。

フィリアだ。

ケイトは呆然とする。


「ケイトさん!大丈夫ですか!」


願いがかなってしまった。


「きゃあ!血だらけじゃないですか!だ、だだ大丈夫なんですか!?」


ケイトはこの時は神の存在を信じた。

フィリアが焦っている。

医療キッドなんて持っていないから、何もできないのだ。

必要ないのだが。

焦っているのが面白いのと、来てくれたことへの嬉しさが重なる。


「ふっ、あははははははは!」

「えっ!?なんで笑うんですか!?」

「なんでだろうね。あははははははは!」

「ちょっと!ちゃんと説明してください!」


敵がいなくなり静かになった戦場に、ケイトの笑い声とフィリアの楽しそうな声のみが響いていた。

はい、どうも!

今回はケイトの戦いでしたけど…、多分みなさんケイトが死んだとき後の展開、分かりましたよね。

うまくできないかと悩みましたが結局こんな形でしか書けなかったこの時代(現在も成長しておらず)。

まだまだ精進が必要ですね。


これからも頑張っていくのでよろしくです。

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